フィギュアスケート男子の羽生結弦が北京五輪のエキシビション後に口にした感謝の言葉が中国で大きな反響を呼んでいる。

今大会の男子シングル、羽生は8日のショートプログラム（SP）冒頭の4回転サルコウ（4S）が1回転になる失敗で8位と出遅れた。10日のフリーでは長年目標にしてきた4回転アクセル（4A）で転倒こそしたものの初の認定を得るなど、気持ちを込めた演技で最終順位を4位まで上げた。そして20日のエキシビションでは「春よ、来い」を情感たっぷりに表現し、観客から喝采を浴びた。

エキシビションを終えた羽生はリンクサイドから客席に手を振ると、再びリンクに向き直り深々と一礼。両手を口元に添えて「ありがとうございました！謝謝！」と日本語と中国語で感謝の言葉を叫んだ。

この様子に、中国のファンからは「中国語でありがとうって言ってくれた」「中国のテレビ中継にはこのシーンはなかったよ」「ありがとうを言うべきなのは私たち」「こちらこそ、素晴らしいパフォーマンスをありがとう（涙）」「素晴らしい『春』をありがとう」「こちらこそありがとうだよ。どうしてこんなに温かいんだろう」といった声が寄せられた。

ほかにも、「また泣きそう」「あなたがいるこの時代に感謝」「私はこの瞬間を一生忘れない（泣）」「彼は笑ったけど、私は（感動で）泣いた」「私たちからもありがとう！ずっとここにいてほしいけど、また次に会える機会を楽しみにしています」など感謝の声が続々と上がっている。

大会前から中国で大きな人気と注目を集めた羽生。3連覇や4Aの成功はならなかったが、その実力と人柄で改めて中国のファンの心をつかんだようだ。（翻訳・編集/北田）