Record China 2019年12月2日(月) 16時50分
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中国メディアの新民晩報は11月30日、「韓国スポーツの黒歴史に新たな問題」と題した記事を掲載した。
記事は、「人口わずか5000万人ほどの韓国は、スポーツにおいて数々の奇跡を生み出している」と指摘。五輪では、1988年のソウル大会でアジアトップ、全体で4位となる12個の金メダルを獲得したこと、その後は数を減らしたものの2008年の北京大会と12年のロンドン大会では13個の金メダルを獲得したことを挙げた。また、世界的なスポーツであるサッカーについても、「韓国はこれまで10度ワールドカップ(W杯)本大会に出場し、02年の日韓大会ではベスト4に入ったほか、10年の南アフリカ大会ではベスト16に進出した」と伝えた。
一方で、「韓国のスポーツ界には大きく分けて二つの問題がある」と指摘。一つは腐敗であるとし、「サッカーや野球、テコンドーなどの競技において、いずれも過去に腐敗が明らかになった」とした。もう一つは選手に対する暴力で、「初めは注目を集めていなかったが、今年初めに被害選手が声を上げた(ショートトラック韓国代表シム・ソクヒが元コーチからの性的暴行被害を訴えた)ことで世論に火がついた。韓国国家人権委員会が委員会を設置して調査したところ、得られたデータは驚くべきものだった」と伝えた。
韓国国家人権委員会が今年7月22日から8月5日に実業団などに所属する選手1251人を対象に行った同調査では、言葉の暴力を受けたことがある人が33.9%に上ったほか、身体的な暴力を受けた人は15.3%、性的な暴力を受けた人は11.4%だった。
記事は、「輝いているように見える韓国スポーツ界はなぜこんなことになってしまったのか」と疑問を提起。その原因として三つを挙げた。
まず、「コーチの権限が強すぎる」こと。記事は、「多くの選手にとって、子どものころからコーチの存在は絶対的で、練習だけでなく食事や睡眠についても指示に従う。こうしたモデルが良からぬコーチにチャンスを与えてしまう」とした。
次に、「選手の立場が相対的に弱い」こと。記事は、「韓国ではスポーツ選手にかかる競争圧力は相当に大きい」と指摘。「14年の調査で女性アスリートの14%がコーチからセクハラを受けていたが、そのうち70%は選手生活に影響することを恐れて口を閉ざしていた。選手の親も、真相を知っても告発をあきらめる」と説明した。
最後に、「社会の雰囲気」を挙げた。記事は、「韓国には『権威を尊重し、権威に従う文化』がある」とし、「能力によってではなく年齢や経歴などによって形成された権威が、若者たちにやるせなさや絶望を感じさせている。こうした(社会の)雰囲気がコーチに自分を正当化させ、選手の権利保護の障害になっている」と指摘した。
そして、「韓国スポーツ界が病気にかかっているのは疑いようがない。しかし、“病原”は韓国スポーツ界だけでなく、韓国社会の中にある。これを取り除くには、韓国政府と国民の長期の努力が必要になるだろう」と論じた。(翻訳・編集/北田)
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