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中国国営新華社通信によると、秦の始皇帝の祖母、夏太后(前300年ごろ〜前240年)の陵墓で見つかったテナガザルが、クロテナガザル属の新種であることを、中国の科学者が率いる国際チームが発見した。
中国国営新華社通信によると、秦の始皇帝の祖母、夏太后(前300年ごろ〜前240年)の陵墓で見つかったテナガザルが、クロテナガザル属(Nomascus)の新種であることを、中国の科学者が率いる国際チームが発見した。この研究成果はこのほど、科学学術誌セルに掲載された。
陝西省考古研究院は2004年、夏太后陵第12号坑の発掘調査で、テナガザルの骨を含む動物の骨群を発見した。18年に中国と英国の研究者らが行った形態学的研究で、この骨はテナガザルの新属新種のものであり、「Junzi imperialis」と命名され、すでに絶滅したとされていた。
中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の付巧梅(フー・チアオメイ)研究員率いる研究チームが今年、テナガザルの歯から抽出したDNAの配列を解析した結果、Junzi imperialisは別の属ではなく、新種であることが分かった。
論文の責任著者で中国科学院昆明動物研究所の呉東東(ウー・ドンドン)研究員によると、以前の研究結果を修正し、Junzi imperialisがクロテナガザル属の新種であり、今日の海南テナガザルと近縁であることを確認した。
Junzi imperialisが見つかった12号坑は、陝西省西安市南郊にある夏太后陵の南東側に位置し、同じ坑からは、ベンガルヤマネコやオオヤマネコ、ツキノワグマ、タンチョウヅルなどの動物に加え、青銅製の鎖や餌入れも見つかった。
共著者で陝西省考古研究院の胡松梅(フー・ソンメイ)研究員によると、これは、夏太后が生前、皇室庭園で珍しい鳥や動物の飼育を楽しんでいたことを示唆している。夏太后の死後、これらの動物は葬儀の一環として夏太后と共に埋葬された可能性が高い。これは、死者を生者と同等に扱うという古代の信仰を反映している。
この研究は中国科学院昆明動物研究所が主導し、中国科学院古脊椎動物・古人類研究所、中山大学、陝西省考古研究院、山東大学、スコットランド国立博物館と共同で行われた。(翻訳・編集/柳川)
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