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「アベノミクス」は失敗したか、他国への影響を考慮しない日米のデフレ対策―中国専門家

Record China    2014年10月27日(月) 5時20分

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24日、「アベノミクス」の最大の矛盾は、経済成長の加速を求める力と穏やかな成長を求める力の間でバランスを取ろうとしていることにある。資料写真。

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2014年10月24日、「アベノミクス」の最大の矛盾は、経済成長の加速を求める力と穏やかな成長を求める力の間でバランスを取ろうとしていることにある。(文:楊涛(ヤン・タオ)中国社会科学院金融研究所研究員。「新京報」掲載)

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快調と見られた「アベノミクス」に、かげりが差し始めている。安倍首相がイタリアでの講演で消費税引き上げの延期を示唆したのに続き、日本では内閣の閣僚2人がスキャンダルでの辞任を余儀なくされた。

「アベノミクス」は、「3本の矢」からなると言う。大胆な金融政策と機動的な財政政策、さらには具体的な内容はよくわからない構造改革からなるこの経済政策は、「日本版の量的緩和政策」と言われている。だがこの種の金融緩和策はギャンブルにも似ており、短期的には一定の効果を上げることに成功したが、再び苦境を迎えつつある。政府の債務が拡大する中で政策は衝突し、円安による矛盾も各分野で噴き出し、「アベノミクス」の効果はますます低下しており、長期的な成長の実現への呼び声が高まっている。

日本は1999年2月にも、国内外の危機に直面し、過去に例を見ない異例の「ゼロ金利政策」を打ち出した。「アベノミクス」は、米国の量的緩和策の奏効を参考にしたもので、日本は2013年初めからこの金融操作モデルを再発動した。目標は主に二つあった。一つは、通貨発行量を増やして株式市場に活気を与え、企業が低いコストで多くの資金を調達できるようにすることだった。もう一つは、通貨発行量を増やして国内の物価を上昇させ、企業の投資の意欲と自信を高めることだった。だがノーベル賞を受賞した経済学者のスティグリッツは、「量的緩和は本国通貨の引き下げで輸出を促進させることであり、各国間の事実上の通貨戦争である」と主張している。安倍首相の政策が実際に継続的な効果を上げられるかにも疑問がある。ゴールドマン・サックスによると、1990年代以来、日本円は4回にわたって円安・円高を繰り返したが、輸出量と円レートに明確な関係が見られたことは一度もない。円安は輸入業者と一般庶民にも影響しており、安倍政権は対応に苦慮している。

安倍政権の打った「カンフル剤」によって急速に進んだ円安は、揺れ動いていた国際通貨システムをさらに脆弱化した。日本の量的緩和で長期資金コストが極端に低下すれば、かつてアジア通貨危機の原因の一つとされた円の裁定取引がまた活発化し、世界の資金の流れと方向を変え、国際資産の変化に影響する可能性もある。現在の国際通貨の混乱は、中国古代の戦国末期にも似ており、隣国を蹴落として利益を勝ち得ようとする金融緩和も大っぴらに行われている。米国や日本は自国のデフレ脱却だけでなく他国への影響も考慮すべきだと考える人は多いが、功利主義や利己主義が優っているのが現状だ。

安倍首相の経済政策の短期的な効果が薄れるにつれ、構造改革の遅れに対する批判が高まっている。「アベノミクス」の3本の矢のうち、構造改革はずっとお飾りにすぎなかった。こうした状況を見たIMFは今年4月、2014年の日本経済の成長見通しを1.7%から1.4%に引き下げている。アベノミクスの最大の矛盾は、経済成長の加速を求める力と穏やかな成長を求める力の間でバランスを取ろうとしていることにある。

先進国と新興エコノミーだけでなく、日本国内でも、経済成長と発展ペースの問題を再び反省すべき時が来ている。複雑さを増す世界の経済・金融情勢、国内各レベルでの利益衝突を前に、国家の政策決定はまず、長期の「極端化」を避けるものでなければならない。理性的と言えるのは、第三の道、中庸の道である。そのためには経済刺激策を自画自賛しているべきではなく、状況の変化に伴って政府の政策そのものが試行錯誤するものであることを十分に認識する必要がある。(提供/人民網日本語版・翻訳/人民網・編集/武藤)

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