中国はなぜ自然科学分野のノーベル賞を取れないのか―オーストリア紙

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独メディアのドイチェ・ヴェレ(中国語版)は7日、「中国はなぜ長きにわたり科学分野のノーベル賞を取れないのか」と題する記事を掲載した。

独メディアのドイチェ・ヴェレ(中国語版)は7日、「中国はなぜ長きにわたり科学分野のノーベル賞を取れないのか」と題する記事を掲載した。

記事は、2015年に中国の科学者・屠呦呦(トウ・ヨウヨウ)氏がノーベル生理学・医学賞を受賞して以降、中国人の受賞者が出ていない現状に触れつつ、オーストリア紙デア・スタンダードによる「中国科学の止められぬ台頭の道」との評論記事を紹介した。

デア・スタンダードの評論記事は「米科学情報研究所(ISI)の最新の報告によると、24年に中国が発表した科学論文は約90万本に達し、G20の国の中で首位となった。米国は約50万本で2位。これは1945年以降、長きにわたって科学研究における覇権を独占してきた米国が初めて抜かれたことを意味する」とし、「屠氏がノーベル賞を獲得した当時、中国の論文数は30万本だったが、米国は現在と同じく50万本だった」と述べた。

その上で、「中国の論文の質はどうか。高品質な論文を評価する『ネイチャー・インデックス』においても、中国はすでに米国を超えている。世界約2万の研究機関を対象とした学術出版大手シュプリンガー・ネイチャーのランキングで、中国科学院はハーバード大学を上回り首位に立っている。欧州で最も名高いマックス・プランク研究所は10位にとどまり、上位12位までに入った研究機関はいずれも中国のものだった」と紹介した。

そして、「これらの状況から見れば、中国が現時点でノーベル賞と縁が薄い理由も理解しやすい。科学研究の成果が認められてノーベル賞を受賞するまでには、しばしば数十年の時間を要するからである。ノーベル賞は、過去の研究状況を映し出すものであり、現在の科学力を直接反映するものではない。だが、今日の研究水準においては、中国が米国の地位に取って代わろうとしているのは明らかである」と論じた。

同評論記事は、「トランプ政権が実施した研究費削減や抑制政策により、米国の科学研究は追い込まれ、この状況が中国の科学技術における追い上げを間接的に加速させた。現在、人工知能(AI)分野では米国がなお優位を保っているが、それは米国がハードウェア分野での優位性を必死に守っていることと密接な関係がある」と指摘。「だがそれも、今年発表された中国のAI言語モデル『DeepSeek』によってプレッシャーを受けつつある」と評した。

そして、「今年のノーベル医学賞・物理学賞・化学賞が間もなく発表される(記事配信時点で未発表)が、中国の科学者が受賞する可能性はいまだ極めて低い。しかし断言できるのは、今後数年から数十年のうちに、屠呦呦氏が中国唯一の自然科学分野のノーベル賞受賞者ではなくなるということだ」との見方を示した。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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