金属有機構造体で北川氏らにノーベル化学賞、中国メディア「産業化は中国が先行する可能性」

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今年のノーベル化学賞受賞者として京都大学の北川進特別教授ら3人の名が発表された。

今年のノーベル化学賞受賞者として京都大学の北川進特別教授(74)ら3人の名が8日発表された。このニュースは中国でも関心を集め、中国メディアの上観新聞は同日付記事の中で「産業化は中国が先行する可能性が高い」という専門家の見方を紹介している。

記事はまず、北川氏、豪メルボルン大学のリチャード・ロブソン教授(88)、米カリフォルニア大バークリー校のオマー・ヤギー教授(60)の3人に今年のノーベル化学賞が贈られると紹介し、多孔性材料の金属有機構造体(MOF)開発における卓越した貢献が受賞理由だと伝えた。

そして、選考委員長であるハイナー・リンケ氏が「MOFは巨大な潜在力を持っている。新たな機能を備えたカスタムメイド材料の開発にこれまで想像し難かったチャンスをもたらした」との考えを示したことを紹介。さらに、上海交通大学化学化工学院の巩偉(ゴン・ウェイ)副教授が今回の快挙を「想定内」としたことを伝えた。

記事によると、巩氏は「MOFは材料科学に革命を巻き起こし、合成材料のパラダイムを変えた」と話した。今回の受賞は想定内で、「いずれノーベル賞を取る」との共通認識が業界にはあったという。

記事はまた、「MOFの種類はすでに10万種類以上あり、機能は構造によって決まる。この新たな材料はエネルギー、生命・健康などの分野で幅広い応用が期待されている」とし、砂漠の空気から水分を集める、有毒ガスを貯蔵するなどを例に挙げてから「特に独特の強みを持つのが二酸化炭素の捕集だ」と言及。さらに「産業化は中国が先行する可能性が高い」として、産業化に関する上海科技大学2060研究院の章躍標(ジャン・ユエビャオ)副院長の見方を伝えた。

中国では国家自然科学基金委員会も関連の研究を強力に支援しており、章氏は「現在、国内ではMOFの学術研究も産業化の動きも非常に活発だ」「リチウム電池のように、この分野の産業化が中国で真っ先に実現される可能性が高い」と説明した。中国は整った供給チェーンと豊富な人材を備え、材料の量産はもはや問題にはならない見込みだが、現在必要とされているのは「市場による後押しで産業チェーンを完全に循環させ、持続的な商業モデルを形成すること」だという。

中国は2030年までのカーボンピークアウト、60年までのカーボンニュートラル実現を掲げており、記事はMOFを使った製鉄所や発電所などでの二酸化炭素捕集や、エネルギー貯蔵におけるMOFの活用が見込まれていることを伝えた。(翻訳・編集/野谷

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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