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かつて欧州で「経済の柱」と称された自動車産業も、勢いのない状態が続いている。市場の縮小、エネルギーコスト高騰、貿易関係の不確実性など、多くの困難に直面する状態だ。一方で、勢いづいているのは中国企業だ。
かつて欧州で「経済の柱」と称された自動車産業も、勢いのない状態が続いている。市場の縮小、エネルギーコストの高騰、貿易関係の不確実性など、多くの困難に直面する状態だ。一方で、勢いづいているのは中国企業という。台湾メディアの中時新聞網が伝えた。
9日に開幕した欧州最大規模の自動車イベントであるドイツ国際モーターショー(ミュンヘンモーターショー)には、中国企業116社が出展した。開催国であるドイツを除けば最大の出展勢力だった。開幕前夜には、業界団体が今回の自動モーターショーを、中独両国が電気自動車(EV)分野での主導権を争う重要な戦いになると形容した。しかし欧州の業界関係者からは、中国との協力関係を強化すべきであり、対立を深めるべきではないとの声も出ている。
フランスに本社を置くニュース専門放送局のユーロニュースは8日、「崩壊か、それとも救済か?欧州の自動車メーカーは欧州連合(EU)の救済に期待」と題した報道の中で、EUが電池産業を支援する一連の計画を打ち出しているにもかかわらず、EVの普及は依然として多くの原因によって妨げられていると指摘した。その主な原因には、充電インフラの不足や関連政策の柔軟性の欠如がある。これらの障害がEV市場の発展を深刻に阻害している。欧州におけるEVの市場占有率は約15%で停滞している。
EUのステファン・セジュルネ産業担当委員は数カ月前に、欧州の自動車産業は「致命的な危機」に直面していると明言し、「世界の自動車産業の地図で、将来は欧州が中心地と見なされなくなるリスクがある」と厳しく警告した。
イタリアのマリオ・ドラギ前首相は、欧州の自動車産業について、産業の強靭(きょうじん)性を高めて中国との競争に対応する必要があると述べた。しかし、より多くの専門家は中国との協力を強化すべきと主張している。
経済学者でもあるドイツ自動車研究センター(CAR)のフェルディナント・ドゥーデンヘッファー所長は、仮に欧州の自動車産業が困難に陥り衰退すれば、今後数年間で欧州全体の経済の見通しが壊滅的な打撃を受ける可能性があると指摘し、「われわれには中国とより緊密な関係を築く必要がある。疎遠になるべきではない。中国人と協力しないのは愚かなことだ。彼らはすべての切り札を握っている」と述べた。
中国ブランドの自動車は実際に、欧州市場を着々と開拓している。市場調査会社のエスカレントによると、欧州の潜在的な自動車購入者の中で中国ブランド車の購入を選択肢の中に入れている人は、2024年には31%だったが、25年には47%と、大幅に増加した。
フィナンシャル・タイムズによれば、フォルクスワーゲンは昨年、ドイツ工場の人員と生産能力を大幅に削減すると発表したが、フォルクスワーゲンブランドのトマス・シェーファー最高経営責任者(CEO)はミュンヘンモーターショーで、「われわれは欧州で主導的地位を占めている。この地位を守るためならばいかなる代償も惜しまない」と述べた。
フォルクスワーゲンは中国市場におけるシェアの低下と、比亜迪(BYD)などの中国のEVメーカーの台頭に対応しようと努めている。シェーファーCEOは、フォルクスワーゲンの新しい車種シリーズは「非常に競争力がある」との考えを示し、中国の自動車メーカーが欧州市場に進出する際には、さらに大きな試練に直面することになると述べた。
しかしフィナンシャル・タイムズは、自信を示しているのはドイツ人だけではないことにも注目した。BYDは、西側の競合他社は依然として自社のEV技術に追いついていないとの考えを示した。同社で国際展開業務を担当する李柯執行副総裁は「たとえ一部のブランドが急速に追い上げてきているとしても、われわれには依然として大きな成長の余地があると考える」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人)
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