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23日、環球時報は、中国の学生がアジアの他国への留学を選択する理由について考察したシンガポールのシンクタンクによる文章を紹介した。
2025年8月23日、環球時報は、中国の学生がアジアの他国への留学を選択する理由について考察したシンガポールのシンクタンクによる文章を紹介した。
記事は、シンガポールのユソフ・イサーク研究所(ISEAS)のウェブサイトに22日掲載された文章を紹介。記事によると、文章は、アジア諸国の大学に留学する中国人学生がここ数年で増えており、国連教育科学文化機関(ユネスコ)のデータによるとマレーシアでは19年の9000人から24年には4万7000人超、タイでは16年の6200人未満から24年には2万8000人に増加したことを伝えた上で、中国人学生がアジア諸国に赴く要因を四つ挙げている。
一つ目は、学習や生活のコストが低い上、地政学的に安定し、治安が良いこと、地理的・文化的に近く現地の生活に適応しやすいことを挙げた。特に各地には中国人コミュニティーが多く、異国にいても母国語や自国の文化習慣で生活できる点に言及している。
二つ目は、アジア諸国が外国人留学生の誘致に積極的であることとし、シンガポールやタイの大学では普通話(中国語共通語)やバイリンガル・トリリンガルコースを導入し、微信(WeChat)など中国のSNSや決済サービスに対応した各種申請サポートや学費支払い制度を提供するなど、中国学生向けの施策を強化していると説明。中国の学生や保護者から見ても、世界から高い評価を受けるとともに充実した留学生受け入れ態勢を整えているアジアのトップ大学はコストパフォーマンスに優れた選択肢になっていると伝えた。
三つ目では、中国国内での就職や大学院入試の競争激化に伴い、海外での大学院進学を通じて就職競争力を高めようとする学生が増加していることを指摘した。そして四つ目では、「一帯一路」イニシアチブや、アジア諸国との良好な二国間関係といった中国政府の外交が、中国人学生に学習、就労、ビジネスの機会をもたらしており、アジア諸国への留学増加の一因となっていると解説した。
文章は、中国学生の流入が、留学先のアジア諸国にも収入増や不動産や観光、医療など関連産業への波及効果、人材資本の向上、中国との関係強化といったメリットをもたらすとも分析。受け入れる大学は中国人留学生を単なる「金のなる木」ではなく文化交流の架け橋として扱い、教育の質と評判を保つことで、国際教育市場での競争力を確保することが求められると論じた。(編集・翻訳/川尻)
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