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中国では高速鉄道の時速400キロの商業運転を目指す研究が行われている。すでに実現している時速350キロと比べて「異次元の難しさ」があるが、すでに最終試験段階という。
中国メディアの参考消息網はこのほど、香港英字メディアのサウスチャイナ・モーニング・ポストを引用するなどで、中国では時速400キロで商業運転する高速列車車輛の「CR450」が、最終的な性能試験が行われている話題を紹介した。
中国ではすでに、時速350キロでの高速運転の商業運転が行われている。しかし、運転速度をさらに引き上げるためには、空気抵抗やエネルギー問題が、技術面での大きな難関になってきた。
中国鉄道科学研究院の邵軍研究員は、「時速が50キロ上がるごとに抵抗が30%増加し、エネルギー消費もそれに伴って上昇します」と説明した。高速列車の走行時に受ける抵抗の95%は空気抵抗という。
報道によると、研究者は車両前頭部の形状を調整して抵抗を低減させた。自然界から着想を得て、高速飛行する鳥類の形態を模倣する設計を採用し、これにより約2.6%の抵抗削減を実現した。研究者はさらに、車両下部の台車周辺にも着目した。この部分は従来見過ごされてきたが、抵抗低減の可能性を秘めた部分だった。
邵研究員によると、チームのあるメンバーが、台車の露出部を覆う構造のアイデアを提案し、このことで極めて良好な空気力学上の形状を作り出して抵抗を減らすことができた。改善を繰り返すことで、走行時に列車が受ける抵抗を22%低減できたという。
このことは、この列車は時速400キロで走行しても、エネルギー消費は時速350キロで運行する「CR400復興号」とほぼ同等であることを意味する。
研究者らはまた、高温に耐え、変形や疲労にも強く、超高速列車における制動の要求に対応するための新素材を開発した。開発の目標は、CR450列車の制動距離をCR400と同等にすることだった。すなわち、時速400キロから停止するまでの距離を6.5キロ以内に抑え、列車が安定して減速して停止できるようにすることだった。
参考消息網記事は「この過程で放出されるエネルギーは、6.8トンの水を氷点から沸点まで加熱するエネルギーと同等で、所要時間はわずか2分」と紹介した。
開発チームがこの新素材にどのような金属を用いたかについては明らかでないが、素材の配合を決定するために100回以上の試験を行い、その性能の評価にも1年以上を要したという。
中国の全国高速鉄道網はすでに4万8000キロに達し、全世界の高速鉄道総延長の70%以上を占めている。また、中国全国の人口50万人以上の都市の97%に高速鉄道が乗り入れている。(翻訳・編集/如月隼人)
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