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消息を絶っていた陝西省漢中市在住の19歳男性がミャンマーで保護された。「よい仕事がある」と言われてだまされて誘拐され、通信詐欺をさせられそうになったという。
6月末から消息を絶っていた陝西省漢中市在住の19歳男性が、ミャンマー国内で現地当局によって7月19日までに保護されたことが分かった。携帯電話のアプリを使ってアルバイト先を探していたところ「稼ぎのよい仕事がある」と言われてだまされ、誘拐されて通信詐欺の仕事をさせられそうになっていたことが分かった。中国メディアの極目新聞などが伝えた。
ミャンマー当局に保護された19歳男性の彭さんは、19日には動画を使って中国側と連絡することもでき、自分が誘拐されたいきさつなども説明した。
彭さんは、6月に大学受験を終えた後、アルバイトをしようと考えて携帯電話のアプリを使って仕事を探した。するとある女性と連絡がついた。女性は、「あなたはイケメンだから売り出せば稼げる」と言って、自分の会社でネット通販のライブコマース(生中継販売)のキャスターになるよう勧めた。
中国ではライブコマースが盛んで、大金を稼ぐ人気キャスターが話題になることも珍しくない。また、これまで知られていなかったへき地の農産物の人気が、ライブコマースを通じて急速に高まることがあり、農村振興の政策にも合致するなどで、しばしば報道されている。
彭さんが指定された行き先は雲南省臨滄市で、10日ほど考えたが相手が交通費を送ってきたために行くことを決めた。臨滄市はミャンマーと国境を接している。彭さんは「臨滄市でワゴン車にのったら国境まで連れて行かれて、ミャンマー側に売り飛ばされました」と説明した。
彭さんによると、ミャンマー国内では車を何度も乗り換えさせられて、最終的に「園区」に連れて行かれた。中国語の「園区」は通常、産業パークなどを意味する。これまでの報道では、ミャンマー国内には、複数の建物が並ぶ施設で、誘拐してきた人に出入りを許さない詐欺集団の大規模拠点が存在する。彭さんはそのような拠点を「園区」と表現したと考えられる。
彭さんは「園区」に到着した翌日朝から、詐欺に関連するせりふを暗記するよう命じられた。しかし4日後には「幹部」がやってきて「年齢が若すぎる」といって解放された。
彭さんについては、ミャンマーのワ自治管区(ワ州)当局が7月初旬に、雲南省からミャンマー側に連れ込まれた可能性があるとの情報を得て、警察を投入して捜索を始めていた。彭さんが解放されたことについては、彭さんの失踪はかなり注目されるようになっていたので、詐欺集団側が何らかの圧力に屈して解放した可能性があるとの見方もある。
彭さんによると、「園区」を出た後は自動車で5-6時間かけて、ミャンマーのワ自治管区のタンヤン郡まで送られた。その後、現地の親切な住民に助けてもらった。ミャンマー側当局は、タンヤン郡で助けられた男性が彭さんに似ているとの情報を得て確認したところ、彭さん自身であることが判明したという。(翻訳・編集/如月隼人)
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