韓国・李在明政権、意図する対中関係の再構築の障害とは―香港メディア

Record Korea    2025年7月15日(火) 6時0分

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韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、中国との関係強化を重視しているとされる。香港メディアの亜洲週刊はこのほど、中韓双方における両国関係の構築の状況や、障害となる部分を紹介する記事を発表した。

韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は、中国との関係強化を重視しているとされる。香港メディアの亜洲週刊はこのほど、韓国と中国の専門家への取材に基づいて、中韓双方における両国関係の構築の状況や、障害となる部分を紹介する記事を発表した。

選挙期間中に陣営に対して外交安全保障関連の助言を行った一人である韓国外国語大学国際関係学科の黄載皓(ファン・ジェホ)教授は、李大統領の外交における実用主義が韓中関係に協力の余地と機会をもたらしていると述べた。両国の安全保障環境の変化が制約をもたらしているが、共に努力することで関係を発展させることができるという。

黄教授は、中国の習近平国家主席は李大統領との電話会談で、「中韓関係は地域および国際秩序にさらに一層の確実性をもたらすので、正しい道に沿って発展させるべきだ」と述べたと指摘した。韓国は国益を中心に据えた実用外交に基づき、これらの目標達成方法を決定すればよいという。

韓国世宗研究所中国研究センターの鄭載興(チョン・ジェフン)センター長は、李在明政権の実用外交政策が、地域における米中戦略競争激化の状況にあって、韓国が直面する外交ジレンマ、すなわち米国との同盟義務と自主外交のバランスに新たな解決策を提供し、韓中関係改善の可能性を高めるとの見方を示した。

鄭センター長は、韓中は実利的姿勢と相互理解に基づく新たな協力モデルを築く可能性があるが、米中の戦略競争の激化、韓中両国の経済構造の変化、韓国国内の反中世論など制約も存在すると指摘。従って韓中両国はより繊細で戦略的な方法で関係発展を模索すべきと主張した。

中国全国政治協商会議の賈慶国常務委員は、中韓関係の展望を楽観視していると述べ、両国は積極的に対立を管理し協力を推進すべきだと強調した。そして、そのためにも自由貿易協定のアップグレード、中韓日三国自由貿易区協定の早期締結、高度技術分野の協力強化、さらに韓国は中国人の短期訪問についてのビザ免除措置を行い、中国側の措置と対等にすべきと主張した。

賈常務委員はさらに、中韓両国の国民は互いに離れられない隣人であることを認識し、友好共存と協力共栄こそ唯一の選択であり、地域の平和と繁栄の推進においてさらに積極的なリーダーシップを発揮すべきと述べた。

山東省煙台市にある魯東大学国際交流協力処の張徳強長処長は、李在明政権の「実利的かつバランスの取れた外交」政策と、中国側が「健全で安定した韓中関係は時代の潮流に合致する」と強調していることが、両国関係の基調を定めていると指摘した。張処長は、中韓関係は尹錫悦(ユン・ソンニョル)3年間の「親米親日、中ロとは距離、北朝鮮とは敵対」の政策を経て、「否極泰来(困難が極まった後で好転)」の段階に至ったと述べ、さらに、「両国政府は戦略的コミュニケーションを維持し、速やかに両国首脳会談を推進すべきだ。外交、経済貿易、安全保障など多層的対話チャネルを深化させ、誤解を避ける必要がある」との考えを示した。

広東省にキャンパスを置く中山大学国際関係学院の畢穎達教授は、中韓関係の発展には双方の積極的な意志と具体的な行動が必要と主張した。さらに「韓国が実利的な均衡外交を進めれば、中国は積極的に応じ、関係は発展する。韓国には、戦略的自主性を確保し、大国間の競争を助長しないようになっていくことが求められる。中国は主導的な発展と平和維持への積極的役割を果たす必要がある」と論じた。

南京大学国際関係学院長の朱鋒院長は、中韓関係の将来について比較的楽観していると述べた上で、さらに、両国は首脳の相互訪問を再開し国のトップが直接対話できるようにするべきと主張。また両国の大学、研究機関、シンクタンク、メディアは接触の強化と範囲拡大に努め、メディアは互いに関心のある問題やそれぞれの発展状況について客観的かつ正確な報道を行う必要があると論じた。さらに両国の国防部門も接触、対話、交流を再開し、互いに関心のある安全保障問題についての意思疎通と協力を強化する必要があると述べた。

中韓関係の改善を阻害するのは韓国国民の「対中願望」か

李在明政権の国家政策企画委員会外交安全保障委員である韓国アジア統一研究所の李王徽(イ・ワンフィ)所長は、李大統領が選挙期間中に対中関係改善の意向を何度も示したが、韓国内の反中感情が依然として高止まりの状態で、それが中国との協力における戦略的余地を狭めていると指摘した。李所長は、韓国内の反中感情は重視せねばならぬ要因であり、中国は関係改善の条件が整うのを忍耐強く待つべきだと主張した。

亜洲週刊が取材した中韓の識者7人はいずれも、韓国国民の対中感情の悪さを憂慮した。韓国における対中感情の悪さは、韓国が在韓米軍による高高度防衛ミサイル(THAADミサイル)の配備を容認したことが一つのきっかけだった。しかし朱院長は、根底にある問題は、韓国国民が強大になった中国を受け入れられていないことにあると主張した。

朱院長は、中韓が国交を樹立した1992年には、韓国国民はまだ弱小だった中国に対して、非常に好意的だったと指摘。しかし、中国が強大になるにつて、韓国国民の対中感情は否定的になってきたという。朱院長は、「韓国国民は弱小な中国を望み、好んでいるのか。中国人研究者にとって、この点は非常に理解し難く受け入れがたいものだ」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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