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7日、香港メディア・香港01は、中国で「エンボディドAI」産業への投資が活発化する一方で、「業界の価値がまだまだ低く見られすぎている」との指摘が出ていることを報じた。
2025年7月7日、香港メディア・香港01は、中国で人工知能(AI)に身体性を持たせた「エンボディドAI」産業への投資が活発化する一方で、「業界の価値がまだまだ低く見られすぎている」との指摘が出ていることを報じた。
記事は、今年に入って中国のエンボディドAI業界が資本ブームを迎え、複数企業の資金調達ペースが著しく加速していると紹介。今年の関連投資件数は114件に達し、すでに昨年の年間合計77件を上回っているほか、今年1〜5月の資金調達総額も232億元(約4600億円)に上り、昨年の年間総額209億元(約4200億円)を超えたと伝えた。
そして、関連企業経営者の声を取り上げ、魔法原子の呉長征(グー・チャンジョン)総経理が「年初から現在までに、100社以上の投資機関と接触しました。資金調達のスピードが非常に速く、2〜3か月で1回の資金調達が完了する」と述べたほか、杭州雲深処科技の資金調達責任者も、予定していた調達額を大きく上回る出資の申し出があったことを明かしており、エンボディドAI産業への投資意欲が旺盛であることを紹介している。
その上で、資金調達が活発化しているものの、中国の関連業界への評価額はまだまだ低いとの見方が出ており、議論を呼んでいると紹介。その事例として米国のFigure AIの評価額は約390億ドル(約5兆6000億円)であるのに対し、中国のトップ企業の評価額は数百億円にとどまっていることを挙げ、業界関係者が「米中間の技術力は同等であり、中国にはサプライチェーンの優位性もあるにもかかわらず、評価額の格差が大きすぎる。低すぎる評価額は、企業が基盤モデルへの投資を阻害する可能性がある」と指摘したことを伝えた。
また、非常に活発な資金調達の動きについて「バブル」が発生しているのではないかとの意見もあるとする一方で、業界関係者からはサプライチェーンや人材の充実といった観点からある程度の「バブル」は必要との見方が出ているほか、上海期智研究院の陳建宇(チェン・ジエンユー)主任研究員は「バブルすら出現していない。エンボディドAIは物理的な要素を持つAIであり、スマートカーや大規模言語モデルよりも産業規模が大きくなるはずだ」と指摘したと紹介した。
記事はさらに、エンボディドAI業界では技術の商業化も依然として大きな課題として立ちはだかっているとも指摘。複雑なシーンでの応用、耐久性、高品質な訓練データ不足といったボトルネックを解決する必要があり、資金調達ブームに乗じて技術的なブレークスルーと商業化を実現できるかが、業界のさらなる発展に向けたカギであることを伝えた。(編集・翻訳/川尻)
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