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中国は韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領を9月3日開催の抗日戦争と第二次世界大戦の戦勝記念イベントに招待した。韓国は対米関係をにらんで思案中という。写真はイベントの軍事パレードが開催される天安門前。
香港メディアの鳳凰網によると、中国は外交ルートを通じて、韓国の李在明(イ・ジェミョン)を9月3日に開催する「中国人民抗日戦争および世界反ファシズム戦争勝利80周年」記念イベントに招待した。韓国側からの出席についての回答はまだなく、さりとて辞退もしていないという。韓国としては対中関係の改善を望むと同時に、米国のトランプ政権にも「気兼ね」せねばならない微妙な立場だ。なお、世界全体では日本が連合国に対する降伏文書に書名した9月2日をもって第二次世界大戦が終結したとすることが一般的だが、中国は、旧ソ連の習慣を踏襲して、9月3日を戦勝記念日としている。
李在明政権には現実的な外交政策を推し進めたい意向があり、尹錫悦(ユン・ソンニョル)政権時代に冷え込んだ対中関係を修復し、中韓の貿易協力を強化したいと考えている。李大統領は公の場で、中国は韓国にとっての重要な貿易パートナーと強調している。
中国は韓国にとって最大の貿易相手国だ。今年1~4月の中韓貿易総額は780億ドル(約11兆円)に達し、輸出総額の26.3%は中国向けだ。韓国は仮に中国市場を失えば、30%の生産過剰リスクに直面することになる。
一方で、李大統領は米国との同盟関係を堅持するとも繰り返し強調している。したがって、韓国は米国の意向も考慮せねばならない。韓国メディアの分析によれば、米中の戦略的競争が激化する中で韓国大統領が中国での軍事パレードを含む「対外的な軍事力誇示の大型イベント」に出席すれば、米国などとの外交に一定の阻害要因がもたらされる可能性があるという。
さらに韓国には、10月下旬に自国でAPEC首脳会議が開催される事情もある。韓国は中国の習近平国家主席を招待しているが、中国側からの回答はまだだ。従って、中国が開催する戦勝記念式典に李大統領が出席すれば、習主席の訪韓を後押しするとの見方もある。
李大統領の中国での記念式典出席について、韓国外交部は「多くの要素を考慮して検討する」とだけ説明している。中国外交部の毛寧報道官は7月2日の記者会見で、関連質問に対して「各方面との意思疎通を維持している」とだけ説明した。いずれも明確な回答は避けたが、否定もしなかった。
ブルームバーグによれば、米国商務省は最近になり、トランプ大統領が訪中するとして、一部の米企業の幹部に同行の意向を尋ねた。訪中時期は10月下旬を想定しているという。トランプ大統領の訪中が順調に実現すれば、米中関係は緩和に向かう可能性が出てくる。仮に実現しなかったり延期されたりした場合には、両国関係が厳しい状態であることが、改めて示される。韓国側にとって、李大統領の訪中に関連する懸念事項は米国の受け止め方だ。李大統領の中国での記念式典出席は「米中関係次第」ということになる。(翻訳・編集/如月隼人)
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