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韓国の李在明大統領は雇用労働相に初めて戦闘的労働組合として知られる民主労総の出身者を抜てき。保守紙は「労働組合が希望する政策ばかりを反映しては」と警戒感をのぞかせた。写真は李在明大統領。
韓国の李在明(イ・ジェミョン)大統領は雇用労働相に初めて全国民主労働組合総連盟(民主労総)出身の金栄訓(キム・ヨンフン)氏を抜てきした。民主労総は戦闘的労組として知られ、北朝鮮寄りともされる。保守系の韓国紙は「労働組合が希望する政策ばかりを反映してはいけない」と警戒感をのぞかせた。
中央日報によると、金栄訓氏は韓国鉄道公社の元機関士で2004年に鉄道労働組合委員長となった後、10~12年には民主労総委員長を務めた。同紙は社説で「 週4.5日(勤務)制導入、定年延長など労使の利害関係が対立する労働懸案が山積した状況で、労働現場出身の大臣の登場には期待と懸念がある」との見方を示した。
大統領室は「前政権の労働弾圧基調を廃止し、『働く人の権利』を強化するための適任者と判断した」と人選の背景を明らかにした。半面、「労組寄り」政策が本格化するという懸念のため経営界は緊張している。
社説は「新政権が労働市場の二重構造解消などを前に出して労働権の強化を加速させているが、雇用に関連した労働懸案の処理には均衡感覚が必要だ」と指摘。「労働組合に対する損害賠償制限と使用者の範囲を拡大する黄色い封筒法は企業の活動を制約する恐れがある。週4.5日制と定年延長も企業の負担を加重させると予想される。労働者の権利強化も重要だが、『傾いた運動場』になってはいけない」と述べた。
さらに「雇用労働省が業務報告で明らかにしたように、経営界の懸念を参考にして、黄色い封筒法案(労働者によるストライキの権利を保護するため法案)を用意しなければいけない」と言及。「勤労時間の短縮や定年延長も企業の状況と実現の可能性などを反映して進める必要がある。雇用が消えれば、労働権の強化は空念仏となるしかない。経済全般の状況を考慮した労働政策に注力しなければいけない」と訴えた。
その一方で「現場出身という強みを生かして労働界と活発な意思疎通をするものの、政策の責任者となるだけに『労働組合の報道官』ではなく政労使の懸け橋の役割を忠実に果たすことを期待する」とも論評。「民主労総を対話の場に引き込んで『政労使の社会的対話』を復元するなど、労働改革のための大妥協も模索する必要がある」とした。
その上で社説は「23年基準で労働組合組織率は13%にすぎない。大企業と公共機関を代表する労組の主張ばかりに焦点を合わせれば雇用政策は消える恐れがある。非労組勤労者と今後勤労者となる青年層の雇用問題などまで包括する政策と戦略を模索しなければならない」と強調。「労働組合に埋没した政策ばかりに重点を置けば、金栄訓氏の任命を『民主労総の政治的請求書が飛んでくる信号弾』という野党の声も現実になるかもしれない」とクギを刺した。(編集/日向)
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