中国、40年かけて築いたレアアース戦闘力―台湾メディア

Record China    2025年7月2日(水) 7時0分

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1日、台湾メディア・中国時報は、中国が40年かけてレアアース産業の競争力を蓄積してきたとする記事を掲載した。

2025年7月1日、台湾メディア・中国時報は、中国が40年かけてレアアース産業の競争力を蓄積してきたとする記事を掲載した。

記事は中国のレアアース産業の発展について、かつての無秩序に採掘される辺境資源から、世界が注目する戦略資源へと変貌を遂げたとし、1970年代に中国の「レアアースの父」と呼ばれる中国科学院の徐光憲(シュー・グアンシエン)氏がレアアース元素の精製・分離・抽出技術の研究を始め、80年代に成功を収めたことで中国のレアアース技術は世界をリードする存在になったと伝えた。

そして、2000年代前半には外貨獲得政策の下、地方政府や民間企業が小規模で、無秩序な経営によりレアアースを積極的に生産、輸出して利益を上げ、世界における中国のレアアース生産量シェアが95%に達した一方で、資源の著しい消耗や環境汚染を引き起こしたと指摘。欧米諸国は中国から安価なレアアースを調達し放題だったとした。

その上で、政策に問題があることに気づいた中国政府が05年にレアアースの輸出奨励を停止すると、06年には生産量、輸出量の制限を開始し、レアアース産業への政府の介入、管理を開始したものの、当初は経験不足や管理の甘さから効果が出なかったと紹介。一方で、10年には尖閣諸島沖での漁船衝突事件により対日レアアース輸出を一時停止し、中国政府が初めてレアアースを「武器」として利用するトピックとなったと伝えている。

さらに、11年には中国政府がレアアース産業の再編に着手し、15年には「6大レアアースグループ」を形成、21年には世界最大のレアアース供給業者「中国稀土集団」の誕生により、同集団と北方稀土の2大国有企業が業界を仕切る体制が確立されたと紹介。雑多かつ小規模で無秩序だった中国のレアアース業界が大きく変化し、政府によるレアアースの輸出規制や価格調整などが効果的に行えるようになったと解説した。

記事は、昨年10月に中国政府が「レアアース管理条例」を施行し、レアアース資源、経営、管理の法的基盤を確立したことを紹介し、ついにレアアースが国家戦略資源として国際的な駆け引きにおいて敵対勢力に対抗する武器となる条件が整えられたと指摘。中国は今やレアアース輸出を禁止する乱暴なやり方ではなく、申請、審査、承認、輸出、期限など一連の管理手順を採用して、世界貿易機関(WTO)の規定に反しない理性的なやり方で対象国に制裁を加える手法を構築したと伝えた。

一方で、記事の最後には「中国は依然として世界のレアアース生産量の60%と、加工能力の90%以上を確保しており、世界が中国への依存から完全に脱却することは依然として困難だが、10年後には独占が崩れ、レアアースはもはや武器ではなくなるだろう」と予測して締めくくった。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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