日本はなぜEVに力を入れないのか―香港メディア

Record China    2025年6月23日(月) 17時0分

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22日、香港メディア・香港01は、日本の自動車産業が電気自動車(EV)開発に力を入れてこなかった背景について考察する記事を掲載した。

2025年6月22日、香港メディア・香港01は、日本の自動車産業が電気自動車(EV)開発に力を入れてこなかった背景について考察する記事を掲載した。

記事は、世界中でEVへのシフトが進む中、自動車大国の日本ではその普及が伸び悩んでおり、日本が電力の多くを輸入の石油や石炭に依存するエネルギー構造を持つこと、他国に比べてガソリン価格が比較的安く、逆に電気料金が高いという独自の事情などに起因していると紹介。このような事情からEVではなくハイブリッド車(HV)の開発が優先され、国内市場ではHVが圧倒的に普及し、EVはほとんど広まらない現状が続いているのだと伝えた。

その上で、日本がEVの発展を推進しない別の理由として、経営者の視点についても言及。HVこそが現地市場のニーズに合致するだけでなく、社会資源の過度な消費も引き起こさないと考えているためだとして、四つのポイントを挙げている。

一つ目は「EV化」によって生じる既存の内燃機関産業チェーンの重い負担だ。日本の自動車産業は500万人以上の雇用を生んでおり、もし日本がEVへ全面的に転換すれば、既存の内燃機関産業チェーンは抜本的な調整、あるいは解体の危機に直面し、大規模なリストラや部品メーカーの倒産、ひいては社会経済に甚大な影響を与える可能性があると指摘。エンジン技術を生かしつつ段階的にEVへ移行するプロセスとしてHVが最も適していたのだと解説した。

二つ目は水素エネルギーの発展を「切り札」としてきたこと。日本の政府と自動車メーカーは、水素をエネルギー源とする燃料電池車を「究極の環境ソリューション」と位置づけ、トヨタを中心としてその開発に取り組んできたものの、水素の生産、貯蔵、輸送コストが非常に高いことや、水素ステーション建設における技術的・資金的困難といった、大きな技術的・経済的課題に直面しており、世界はおろか日本国内でも燃料電池車を普及させる段階に至っていないことを指摘。この水素エネルギー重視の方針により、EVやリチウムイオン電池の発展の黄金期を逃す結果になったのだと論じた。

三つ目は社会の認識とメディアの誘導が保守的であること。日本のメディアは長年、EVの環境性、特にバッテリー生産段階での炭素排出問題について疑問を呈し続けており、もともと新しい技術への受け入れ度が低い日本の消費者のEV購入意欲をさらに抑制していると分析した。

四つ目はイノベーションを制約する日本の企業文化と経営モデル。「コスト優先」の経営モデルで成功を収めてきた日本企業は、新興技術に対する動きが遅く、新しい技術の応用、商業化に時間がかかりすぎることを指摘している。

記事は最後に、日本企業がEVを優先してこなかったのは、自国の資源状況や産業の現実、そしてコスト面での問題などさまざまな点を踏まえた上での「独特で現実的な発展の経路」をたどってきた結果なのだと結論付けた。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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