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12日、ドイチェ・ヴェレはレアアースが中国にとって米国の首根っこを抑える切り札になった背景について紹介する記事を掲載した。
2025年6月12日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトはレアアースが中国にとって米国の首根っこを抑える切り札になった背景について紹介する記事を掲載した。
記事は、中国がこのほど重希土類や磁石などの重要原材料に対する輸出管理措置を導入し、輸出許可申請を義務付けたと紹介。この措置はトランプ米大統領が導入した対中相互関税や対中ハイテク輸出制限政策への対抗として取られたもので、自動車などの関連産業のサプライチェーンですでにレアアース不足による影響が出始めていることを伝えた。
そして、中国がレアアースを切り札にした経緯について解説。中国では1980年代にトウ小平氏が「中東に石油があるように、中国にはレアアースがある」と述べ、レアアースを国家戦略の重要資源と位置付けてから40年以上にわたってレアアースの採掘と加工に力を入れ、世界市場で圧倒的な支配力を築いてきたと説明した。そして、今や電子機器や先端製造業、軍事技術など幅広い分野で不可欠な材料となったレアアース分野で中国は確固たる主導権を獲得しており、ますますその力を強めていることから、レアアースの輸出管理が中国にとって貴重な外交・経済上の交渉カードになっているとした。
また、米国がレアアース分野において容易に中国に追いつけないという事実も、中国にとっては好都合になっていることを指摘。米国はレアアースの安定供給を目指して多様化を図っているものの、現状では70%以上のレアアース製品を中国から輸入している状況であり、米国内で唯一稼働中のカリフォルニア州のマウンテンパス鉱山は重希土類の分離加工能力を持たないため、採掘した鉱石は中国へ送られているとした。
さらに、米国防総省が国内のサプライチェーン構築のために約4億4000万ドル(約630億円)を投じているものの、中国のような採掘から加工までの完全な産業チェーンを整えるには数十年を要すると見込まれているため、中国との共存が最も現実的な選択肢になっていると論じた。
記事は一方で、圧倒的な主導権を握っている中国のレアアース産業には懸念すべき点もあると紹介。江西省贛州市では長年のレアアース採掘により鉱山資源の枯渇が懸念されており、ここ数年で実際に複数の鉱山が閉鎖しているとした。また、資源の減少により地元の鉱山企業では採掘や加工の難易度が上がっており、将来に不安を抱く声が広がっているとも伝えた。そして、資源確保や産業の持続性を図るために、アフリカなどの海外から原材料を調達する動きもあるとし、国内で産業チェーン全体が賄える盤石の体制が崩れる可能性を示唆した。(編集・翻訳/川尻)
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