2025年6月11日、香港メディア・香港01は、米モルガン・スタンレーが世界の電気自動車（EV）市場について「中国主導の時代」だと評したことを報じた。

記事は、モルガンがこのほど「世界のEV追跡 中国によるEV統治時代」と題した報告を発表し、今年4月の世界EV販売台数が前年同期比38％増の107万9000台に達し、このうち中国市場は同51％増の66万2000台で世界全体の60％以上に及んでいることを明らかにしたと伝えた。

また、中国では純EVの普及率が昨年の22．4％から30．2％にまで上昇したこと、ブランド別販売台数ではBYDが同40％増の18万1000台で最も多く、吉利汽車も同1．5倍の10万台と急成長を見せ、中国勢の好調ぶりが際立ったことを紹介している。

さらに、欧州市場でも4月のEV販売台数が同30％増の21万4000台となり、普及率も19．9％にまで増えたのに対し、米国市場は販売台数が同4％減の9万5000台にとどまり、普及率は6．5％と前年より低下する結果になったと指摘。米EV大手テスラも4月の販売台数が同17％減の8万4000台と苦戦を強いられていることを伝えた。

その上で、モルガンのアナリスト、アダム・ジョナス氏が報告書の中で、世界のEV市場がまさに「中国の時代」を経験していると表現するとともに「これは単純な市場サイクルによる変動ではなく、産業構造の根本的な再構築である。中国ブランドは販売台数で既存の大手メーアーを完全に上回っただけでなく、技術革新やコスト管理でも簡単には超えられない『堀』を築いた」と評したことを紹介している。

記事は、報告書がEV業界における中国ブランドについて「販売台数、ブランド競争力、電池技術、世界市場戦略のいずれにおいても完全にリードする、システマティックな勝利だ」と形容したことを伝えた。（編集・翻訳/川尻）