70億円の公共投資が無駄に?2年以上前に完成の「自動車博物館」がいまだにオープンせず―中国

Record China    2025年6月10日(火) 7時0分

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中国・江西省南昌市の南昌小藍経済技術開発区で2年以上前に完成した「小藍自動車博物館」がいまだにオープンしておらず、巨額の公共投資が無駄になりかねない事態となっている。

中国・江西省南昌市の南昌小藍経済技術開発区で2年以上前に完成した「小藍自動車博物館」がいまだにオープンしておらず、巨額の公共投資が無駄になりかねない事態となっている。中国国営の中央テレビ(CCTV)の調査報道番組「焦点訪談」が7日に取り上げた。

報道によると、同博物館は総投資額約3億5000万元(約70億円)。南昌市初の自動車専門博物館として2020年に建設が始まり、22年12月に建設および展示設備の施工が完了した。展示部分は23年6月にすでに検査を通過しているが、基礎建設部分の消防や都市計画に関わる検査手続きが遅れており、正式な引き渡しができない状況が続いているという。

問題の発端となったのは消防設備の不備だった。同博物館の周囲の環状水道が未整備で消防用水が確保できず。この点は21年6月にすでに施工業者によって指摘されていたが、開発区側の対応が遅く、23年11月にようやく93万元(約1900万円)をかけて防火水槽の設置が決まった。そして、消防にかかる検査に合格したのは24年10月のことだった。

また、もう一つの問題となった都市計画に関する検査については、建物の外観デザインに変更があったが、正式な手続きが開始されたのは25年に入ってからだった。こちらについては、関係者から「そもそも22年の時点で申請できた」との指摘も出ている。こうした行政手続きの遅れにより、博物館に設置された電子展示設備の一部はすでに劣化が始まっており、中には操作不能になったものもあるという。

同博物館には展示設備だけで1億元(約20億円)以上が投じられている。現場では空調も稼働しておらず、湿気がこもるなど環境の悪化が報告されている。施工業者は「あと1年この状態が続けば、設備は実質的に使用不能になるのではないか」と漏らした。担当部門の上位機関に当たる開発区管理委員会は「関係部署を繰り返し叱責している」としているが、これまでの2年半の間に具体的な是正命令や文書による指導は一度も行っていなかったという。

同委員会の担当者は「2カ月以内にプレオープンを実現する」と強調したが、「焦点訪談」のキャスターは「本来は(一般的に)半年以内に完了すべきだった検査業務が2年半も引き延ばされ、一部設備が廃棄寸前にまでなっている。こうした非効率なプロジェクト管理の背後には、責任の押し付け合い、たらい回しや無責任さが存在する」と指摘。「このような遅延が常態化すれば、財政資金の効率性だけでなく、政府の信頼性そのものが損なわれることになる」と警告した。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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