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カフェと書店が並ぶ静かなプラタナス並木通りとして知られる上海市内の安福路が「歩行者天国化」を巡る議論の中心にある。
カフェと書店が並ぶ静かなプラタナス並木通りとして知られる上海市内の安福路が「歩行者天国化」を巡る議論の中心にある。「上海の代官山」とも目されるこの通りに、観光と生活の両立は可能なのか。
上海市の旧フランス租界に属する徐匯区の一角に位置する安福路は全長わずか600メートルほどのプラタナス並木通りで、カフェやギャラリーが軒を連ね、文芸とファッションが交錯する。これまでもSNSで「網紅(インフルエンサー)ストリート」として注目を集めてきた。
そんな安福路が今、都市空間を巡る議論の最前線にある。「文芸歩行街」として整備し、歩行者天国とする構想が打ち出され、一躍脚光を浴びているのだ。モデルとして描かれているのは上海版アベニュー・オブ・スターズ(星光大道)だという。
この構想を提案したのは上海戯劇学院映画学院の厲震林院長だ。チャイナスピードとは一線を画した静謐な空間を、「南京東路に次ぐ都市型歩行街」として文化観光と文芸創作の融合ゾーンに変身させようというのだ。
もっとも、その構想を実現するのは容易ではない。安福路の周辺には住宅街や「愛菊小学校」など生活・教育機能が密集しており、住民の生活圏と観光ニーズのバランスが課題となっている。
徐匯区政府は全面的な車両通行止めに対しては慎重な姿勢を示しつつ、週末や祝日の限定的な歩行空間の整備について対応を検討するなど、代替案を模索しているとみられている。
上海市内にはすでに多くの歩行者天国が存在している。外灘に続く南京東路の延伸型歩行街、観光名所と化した田子坊、文学の記憶が宿る多倫路、欧風建築が並ぶ思南路や武康路などがその代表例だ。
これらはいずれも都市観光に大きく貢献する一方で、急速な観光地化により「地元らしさ」が喪失し、家賃の高騰などの副作用を抱えるケースも少なくない。
徐匯区は安福路一帯を「国家級観光休暇街区」として再構築する方針を打ち出している。歴史建築の保存、文創イベントの誘致、国潮ブランドの進出など、歩行空間化にとどまらず、多様な都市演出が着実に進みつつある
忘れてならないのは、歩行者天国が付加価値を創出するための手段にすぎないということだ。開発という「劇薬」に過度に頼ることなく、プラタナス並木の葉擦れの音に耳を澄ませながら、緩やかに歩みを進める。そんな穏やかな継続の中に身を置きたいと願う市民は決して少なくないはずだ。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)
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