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「新一線都市ランキング」から浮かび上がる都市間競争のリアルとは?写真は四川省成都市。
中国337都市の中から選ばれた最も伸びしろのある15都市。第一財経・新一線城市研究所が発表した2025年版「新一線都市ランキング」から浮かび上がる都市間競争のリアルとは?
中国における都市間競争はこの10年で急速に激化してきた。とりわけ注目されるのが、第一財経・新一線城市研究所が毎年発表する「新一線都市魅力度ランキング」だ。これは都市の商業資源、交通網の整備度、人口の活発度、新産業の集積度、将来の発展余地の五つの指標を基に算出される総合評価だ。
特徴的なのは、GRPや人口といった「規模指標」だけでなく、成長ポテンシャルや都市機能の柔軟性といった「質的要素」にも注目している点だ。企業の進出判断や人材の移動、不動産投資の方向性にも影響を及ぼす実務的な指標として活用されている。つまり、「規模を備えた都市」ではなく、「選ばれる都市」が上位に入る構造となっている。
ランキングの対象は中国の337の地級市。北京、上海、深セン、広州の4都市は「一線都市」として別枠で扱われ、その次点に15の「新一線都市」が位置づけられる。これらは商業リソースの集積、交通のハブ性、消費活動の活発度、新産業の成長性、未来への可塑性の5大指標で評価され、この称号が付与される。
この枠組みは企業や人材が都市を選ぶ上での「意思決定インフラ」としての性格を持つ。都市の魅力度は外国企業の地域戦略や人材の移住先、不動産市場の動向にまで影響を与える。
過去のランキングの推移を分析すると、成都や杭州といった都市が長年にわたって上位を維持する一方で、合肥や仏山のように近年急浮上した都市もある。
新一線都市の1位が指定席となっている成都はまさに無双状態。消費力の強さ、交通インフラの整備、夜間経済の活性化といった要素が複合的に作用している。
一方、仏山は製造業のスマート化と珠江デルタ地域との連携により、上位グループへの返り咲きを果たした。
ランキングが示すのは、「今強い都市」ではなく、「これから伸びる都市」だと言ってよいだろう。例えば、家賃や物価が高騰する杭州は現在も上位にあるが、若者の流出が始まっており、未来の拡張余地(可塑性)は縮小傾向にあるとされている。
一方、合肥や西安のように、研究開発費のGRP比率が上昇し、ハイテク企業が集積する都市は、「将来の中核都市」としての評価を受けている。また、住みやすくても産業が停滞している都市は評価されにくく、新産業の芽が見える都市こそが高得点を得る傾向にある。
つまり、このランキングは都市の競争力や成長性の変化がダイレクトに順位に反映される「未来の構造」の指標でもある。ただし、あたかもサッカーリーグの昇格・降格戦のように、1~2年で大きく順位が変動することに注意する必要がある。
都市を格付けするという営みは、ともすれば品格に欠けると見られることもあるが、投資家にとっては将来性を、ビジネスパーソンにとっては暮らしやすさや仕事の機会を測る上で、有効なメトリクスとなり得る。次回のランキングでは、どの都市がダークホースとして現れるのだろうか。(提供/邦人NAVI-WeChat公式アカウント・編集/耕雲)
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