2025年5月25日、香港メディア・香港01は、中国の国家安全部が「観光をしない『観光客』」など、スパイの可能性がある人物の特徴に関する情報を発信したことを報じた。

記事によると、国家安全部は25日、「スパイが持つ別の顔」と題した文章と動画を公開し、海外スパイの可能性があるとして「調査をしない探偵」「研究をしない研究者」「商売をしない商人」「観光をしない観光客」「恋をしていない恋人」という5種類の人物に警戒するよう呼び掛けた。

「調査をしない探偵」については、探偵会社やコンサル会社の衣を着て軍の最先端分野のセンシティブな場所、情報にアクセスしようと試みると説明。特に地域を指定して写真を撮影させたり、センシティブな内容について確認を求めるような動きには警戒が必要だとした。

「研究をしない研究者」は、学術交流や研究協力の旗印を掲げて大学や研究場に頻繁に出入りし、経済的な利益を餌に学術上や生活上の便宜やスパイへの帰順を求めたりし、センシティブな情報やコア技術を盗もうとすると指摘。「突然接近してくる、異常な情熱を持った海外のバックグラウンドを持つ『学者』には警戒せよ」と伝えている。

「商売をしない商人」については、投資や提携を口実にしてセンシティブな企業や機関の職員を取り込み、金銭の誘惑や感情的な揺さぶりによって寝返りを求め、重要分野の情報を収集すると説明。やたらと好意的で高額リターンを約束する「ビジネスパートナー」に警戒し、目先の利益にとらわれて国家機密を漏らすことがないよう呼び掛けた。

「観光をしない観光客」については、観光や親戚探訪を名目に中国に入り、市民を不法な測量や現場観察などに誘い込むと紹介。軍事的な立ち入り禁止区域などの近くをうろついて写真を撮影する人物、特に高精度な測量設備を携帯している「観光客」を見つけたら直ちに国家安全当局に通報するよう求めた。

「恋をしていない恋人」については、海外で恋愛を大義名分として中国人留学生とつながりを持ち、恋人関係になった後に寝返りを求める手口だと説明。海外の異性の「友人」や「ネット友達」は慎重に選ぶようにし、甘い言葉で惑わされないよう留意しなければならないとした。（編集・翻訳/川尻）