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癒やしを求めるはずのマッサージが致命的なダメージにつながることもある。
癒やしを求めるはずのマッサージが致命的なダメージにつながることもある。施術者の技術不足や規制の未整備が引き起こす事故、違法行為、倫理の欠如……。タイと中国の事例と共に利用者が身を守るためのポイントを見ていこう。
マッサージは心身の癒やしを与えてくれるものだが、安全性がいつも確保されているとは限らない。2024年12月7日、タイ・プーケットのマッサージ店で52歳のシンガポール人男性がオイルマッサージ後に呼吸困難となり、死亡が確認されるという事故が発生した。
翌8日には、タイの女性歌手が首を強くねじる施術を受けた後に脳や脊椎を損傷し、20歳の若さで命を落とした。いずれも偶発的な事故ではなく、施術者の技術不足や規制の未整備が背景にあるとみられている。リラクゼーションを提供する現場において、利用者の生命を脅かすリスクが潜む現実に衝撃を受けた人は多いだろう。
一方、中国のマッサージ市場では、金銭トラブルなどの消費者被害が後を絶たない。24年の「消費者権利デー」(3月15日)に放送された中国中央テレビ(CCTV)の特別番組「3・15晩会」では、出張マッサージプラットフォーム利用者に対して、施術者が追加料金を要求し、違法な性的サービスを行う実態が暴かれた。
今年の同番組では、高齢者への高額請求や、無資格者による注射といった違法行為が報告されている。本来なら癒やしの場であるはずの空間が、時として最低限の倫理が守られず、搾取と危険に満ちた場に変貌する危うさをはらむこともある。
そのため、マッサージサービスを安全に利用するには、利用者自身の自己防衛意識が不可欠になる。施術者の資格の有無や経験を確認し、自身の健康状態を事前に施術者に伝えることは安全確保に直結する。施術中に違和感を覚えた際には即座に施術の中止を申し出る勇気を持つことも必要だ。店舗を利用する場合は、信頼できる情報源から評判・口コミを参照するのが望ましいだろう。
一方、在外各公館が在留邦人向けの「安全の手引」でマッサージ店やカラオケ店を装って買春を持ちかける事例に言及し、注意喚起をしている。中国では買春が違法とされ、「治安管理処罰法」に基づき拘留や罰金の対象となり得る。悪質なケースでは国外退去や再入国禁止となる可能性もあるため、厳粛に法令とリスクを十分に認識することが求められる。
最後に年頭にSNSで炎上した話題として、深センの女性向けマッサージ店が炎上した事例を取り上げておきたい。店舗は9元(約180円)の低価格コースを設け、その利用条件として「車や住宅の所有、サムズクラブ会員であること、ファーウェイなどの企業に勤務していること」といった証明の提示を求めたというものだ。
このことは「個人情報の過剰収集」として問題視されている。また、破格の料金で客を呼び込み、高額コースへの切り替えを促す手法は虚偽広告の疑いもある。さらに特定の社会的属性に基づく階級選別のようなサービスには倫理面での問題も浮き彫りになった。マッサージ業界が消費者の安全と快適性を担保しながら、信頼性のあるサービスを確立するには、さまざまな課題をクリアする必要がありそうだ。(提供/邦人Navi)
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