訪日免税ルール、「転売ヤー」封じで4月から別送廃止

邦人Navi    2025年3月25日(火) 11時0分

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訪日外国人向け消費税免税制度が大幅に見直される。不正転売を防ぎつつ、利便性を向上させる狙いがある。写真は京都。

訪日外国人向け消費税免税制度が大幅に見直される。2025年4月に「別送」の取り扱いが廃止され、26年には「リファンド方式」が導入予定だ。不正転売を防ぎつつ、利便性を向上させる狙いがある。在外邦人の免税手続きも簡素化が検討されている。

「別送」の取り扱いが4月に廃止

4月1日より、訪日外国人向け消費税免税制度において、購入品を郵便局などを通じて後日発送する「別送」の取り扱いが廃止される。現行制度では、購入者が郵便局の引受証や発送伝票の控えを提示することで、国外への持ち出し確認を受けられる仕組みだったが、この制度を悪用し、免税価格で購入した商品を国内で転売し、税関検査を回避する不正行為の横行が問題視されていた。

さらに、財務省・国税庁・経済産業省・観光庁が1月にまとめた「外国人旅行者向け免税制度の見直し(案)について」と題した資料によると、26年11月1日から新たに「リファンド方式」が導入される方向で検討されていることが示されている。この方式では、免税対象品の購入時に消費税を含めた金額で支払い、出国時に持ち出しが確認された場合に限り、消費税相当額が返金される。

「転売ヤー」が横行

同資料では、令和4年4月~令和6年3月における免税購入額と税関検査の状況報告として、高額購入者による不適切な免税利用が問題視されている。一度不正が発覚した場合でも、税の徴収が困難である実態も明らかにされている。

また、SNSや副業サイトで代理購入のアルバイトを募集する「爆買い」ブローカーの存在や、日本国内での違法転売や不正決済といった手口がメディアを通して報じられてきた。不正行為の拡大を抑制するためには、新たな免税制度の導入と適正な運用が待ったなしの状況だったといえる。

リファンド方式に利便性向上メリット

「別送の取り扱い」廃止は25年4月1日以降に購入した商品から適用され、出国時に購入品を所持していない場合は消費税が徴収される。そのため、これまで代理購入者が郵送を利用して不正に利益を得ていた仕組みは大幅に制限されると期待される。

ちなみに前述の資料では、「不正の目的をもって購入されるおそれが高い物品として、引き続き金地金等は免税対象外とする」とされているほか、「今後、特定の免税品目による不正が横行すれば、個別に免税対象外の物品として追加する」ことが明示されている。

このほか、リファンド方式に移行すると、特定の上陸許可書で入国する者に対して旅券の提示を義務付けるとともに、購入記録情報の作成に必要な許可書番号を旅券番号に統一することが規定されている。これにより、免税制度の透明性と適正運用が一層強化されることが期待される。

在外邦人の確認要件が緩和へ

前述の資料によると、国外に2年以上居住する在外邦人に対する確認要件の緩和も検討されている。免税購入の際に在外邦人であることを証明するために提出が必要な資料には「在留証明」または「戸籍の附票の写し」があるが、これまで後者については本籍の地番の記載が求められてきた。新たな制度ではその記載を不要にし、さらに国外転出者向けのマイナンバーカードも確認書類として認められる見込みだ。

そのほか、購入記録情報に一定の事項(国外転出日または国外定住日など)を加えて送信することを条件に、証明書類の保存要件を撤廃するなど、手続きの簡素化が進められる。訪日外国人だけでなく、在外邦人にとっても免税制度の利用がより円滑になり、利便性が向上すると期待されている。(提供/邦人Navi)

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