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シカのトレードマークでおなじみのラッキンコーヒーがタイでの商標権訴訟で勝利した。
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シカのトレードマークでおなじみの瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)がタイでの商標権訴訟で勝利した。グローバル市場でのブランド保護の重要性を示すだけでなく、中国企業が海外で模倣の対象となる時代が到来したことを象徴する出来事となった。
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角を大きく広げたシカのトレードマークが印象的なロゴ。一見するとおなじみの中国発コーヒーチェーンの瑞幸咖啡の店舗のように見えるが、よく見るとシカの顔の向きが逆。そんな似て非なるブランドがタイで営業を続け、問題となっていた。
模倣チェーンを展開していたのはタイ企業「50Rグループ」だ。タイ中央知的財産・国際貿易裁判所(IP&IT Court)は2月6日、瑞幸咖啡の「Luckin Coffee」についての優先的な商標権を認め、50Rグループの商標登録を無効とする判決を下した。さらに、同グループには1000万タイバーツ(約4400万円)の損害賠償と、24年3月4日以降、毎日10万タイバーツ(約44万円)の追加賠償が命じられた。
瑞幸咖啡が勝訴するまでの道のりは険しかった。そのプロセスを振り返ると以下の通りとなる。
21年:瑞幸咖啡はタイ国内で自社ブランドを模倣した店舗が営業しているとの報告を受け、商標権を巡る法的手続きを開始。
22年8月:瑞幸咖啡は公式声明を発表し、「タイ国内のLuckin Coffee店舗は当社とは無関係であり、法的措置を取る」と表明。
22年12月:50Rグループは商標権の正当性を主張し、タイ国内で訴訟を行う。
23年:50Rグループは瑞幸咖啡に対し、多額の損害賠償を請求。瑞幸咖啡はこれに反論し、控訴。
模倣した側から損害賠償を請求されるというのは驚くべき事態だが、中国のネット上ではこの商標紛争を「李逵遇到李鬼(李逵が自分の名前をかたる追い剥ぎの李鬼に遭遇する)」と例えた。これは中国の古典「水滸伝」に由来する表現で、本物と偽物の争いを象徴する言葉だ。
企業が海外市場に進出する際、現地企業に商標登録を先取りされ、訴訟なしには正当な権利を主張できないケースは少なくない。真贋を決する闘いに怯むことなく商標保護に向けて積極的なスタンスを取るか否かが、企業の将来を左右する。
実は、中国の人気茶系ブランド「喜茶(HEYTEA)」もシンガポールで類似商標を巡る法的紛争を経験した。喜茶のブランド要素である「頭と鼻と口の形、頭を傾ける角度」などが模倣されたが、最終的にシンガポールの知的財産当局は模倣ブランドによる商標を無効と判断した。
ブランド保護の戦いは長期間に及ぶ。20年にわたり訴訟を繰り広げた無印良品の例に比べれば、瑞幸咖啡や喜茶のケースは比較的早期に決着したといえるかもしれない。いずれにせよ、今回の事例は中国企業が海外で模倣の対象となる時代が到来したことを象徴するものとなった。(提供/邦人Navi)
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