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中国で茶系飲料市場が拡大を続ける一方、価格競争の激化により閉店が相次いでいる。写真は急成長している蜜雪冰城。
中国で茶系飲料市場が拡大を続ける一方、価格競争の激化により閉店が相次いでいる。高級路線を選ぶか、低価格戦略で市場を席巻するか、企業は岐路に立たされている。蜜雪冰城の急成長、老舗ブランドの再構築、新興勢力の台頭など、市場の変遷を追う。
調査会社iiMedia Research(艾媒諮詢)のレポートによると、中国の茶系飲料市場は成長を続けている一方で、熾烈な価格競争と閉店ラッシュが繰り広げられている。各ブランドにとっては、価格戦略と収益性のバランスを保ちつつ、いかに独自の価値を打ち出すかが課題となっている。
消費者の嗜好を見ると、74.1%が11~20元(約220~400円)の価格帯を好み、フルーツティー(42.6%)やミルクティー(42.1%)が特に人気を集めている。しかし、10元(約200円)以下の商品を提供するブランドの増加により、価格競争が激化し、収益性の低下は避けがたい状況にある。
市場で生き残りを図るために、各ブランドはそれぞれ独自の戦略を模索している。値下げトレンドに便乗する動きもあれば、「喜茶(HEYTEA)」はフランチャイズ展開を見直し、ブランドの原点に立ち返る方針を発表した。価格競争の泥沼から一歩距離を置き、品質とサービスの向上によりブランド価値の維持を図ろうとしている。
しかし、低価格戦略を推進するブランドの勢いは衰えない。特に「蜜雪冰城(Mixue)」は超低価格と大量出店を武器に驚異的なスピードで成長し、ついに香港証券取引所のメインボードに上場した。2024年9月末の時点で店舗数は4万5302店に達し、うち海外店舗は4792店と攻勢を強めている。
蜜雪冰城はすでに日本進出も果たしており、2028年までに1000店舗の展開を計画しているという。各国の市場特性を巧みに分析し、中国では低価格路線を維持する一方、日本では原材料費や物流コストの影響を受け、24年7月に価格改定を実施。東南アジアでは中価格帯戦略を採用し、地域ごとの購買力に応じた調整を行っている。
低価格市場の先駆者といえば、即席ミルクティーやRTD飲料を展開する「香飄飄」の存在も忘れてはならない。同社は17年に「即席(インスタント)飲料市場(RTD)」に本格参入し、売り上げの46%が同ジャンルで占められる。24年第1~3四半期(1~9月)の売り上げは19億3800万元(約387億6000万円)に達し、純利益は前年比408%増という驚異的な成長を記録した。
そんな香飄飄が24年末に杭州でポップアップストアを開設し、話題を呼んだ。その店舗は短期間で閉鎖されたものの、別の地域で新店舗をオープンした。消費者との直接的な接点を強化することで、新たなブランドイメージを構築しようとしている。市場のトレンドが「低カロリー・低糖・健康志向」へとシフトする中、今後どのように適応していくかが注目される。
市場の勢力図は今後も塗り替えられていくことが予想される。「奈雪の茶(Nayuki)」や「楽楽茶(LELECHA)」「覇王茶姫(CHAGEE)」、さらに24年2月に上場した「古茗(グーミン)」や「滬上阿姨(フーシャンアーイー)」といった新興ブランドがしのぎを削る中、「快楽檸檬(Happy Lemon)」や「CoCo都可」といった老舗勢力の存在感が低下しているのが現在の流れだ。茶飲料市場で主導権を握るのはどこか、今後の業界動向から目が離せない。(提供/邦人Navi)
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