9歳男児が爆竹で他人の車を燃やした事件、判決が出る―中国

Record China    2025年3月19日(水) 19時0分

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中国・湖南省張家界市桑植県で昨年1月に起きた、9歳男児による自動車放火事件の裁判の判決が下った。

中国・湖南省張家界市桑植県で昨年1月に起きた、9歳男児による自動車放火事件の裁判の判決が下った。中国国営の中央テレビ(CCTV)が伝えた。

事件があったのは昨年1月28日午後。路上に駐車していた甄(ジェン)さんの自動車から突然出火した。甄さんは当初、自然発火と考えたが、ドライブレコーダーや付近の防犯カメラに、9歳の男児が爆竹のようなものを車の隙間に投げ入れて立ち去り、その約3分後に出火する様子が映っていた。保険会社は人為的なものとして保険金の支払いを拒否した。

男児の親は甄さんに3万元(約62万円)を賠償すると約束したが、実際には支払われなかった。被害に遭った車をディーラーに持ち込み修理を依頼すると、8万元(約165万円)の費用がかかると言われたため、甄さんは賠償額を3万元から6万元に引き上げ、第三者を通じて男児の親に請求した。しかし親は同意しなかったため、甄さんは仕方なく裁判所に訴えた。

裁判で親は映像に映っているのは自分たちの子どもだと認めたものの、爆竹を投げ込んだことについては認めず。また出火したのは子どもが去ってから3分経った後であるため、別の原因を排除できないと主張した。警察の取り調べで男児は「ライターで(自動車の)前面のメッシュ部分に火を点けようとしただけで、すぐに立ち去った」と話したが、この証言は映像と一致しなかった。

裁判官は、映像では男児が火を点けた物体を自動車に投げ込んでいる様子が確認できるとし、男児の行為と火災との因果関係を認めた。また、男児が去ってから3分の間に他の人物が自動車に近づいた様子や接触した様子は確認できないとし、「被告の子どもが車に爆竹を投げたことが火災を引き起こしたという事実が十分に認められる」と指摘。被告に計8万4688元(約175万円)の支払いを命じた。

男児の親は一審判決を不服として上訴。二審では、「男児が物を投げたのは認めるがそれは爆竹ではなくライターだった」「路上に無断駐車していた甄さんに一定の過失がある」「子どもがまだ9歳であり全責任を負わせるべきではない」などと主張した。しかし、裁判官は映像の音声などから投げ込まれた物は爆竹であると認定した。甄さんが路上に駐車していたことについても「本件の発生は一般に予見できる範囲を超えており、火災の発生は駐車場所と関係がないため原告(甄さん)に過失はない」と判断。上訴を棄却し、一審判決を維持した。

北京航空航天大学法学院の趙精武(ジャオ・ジンウー)副教授は「年齢が低いからといって法的責任を免れるわけではない。民法典の監護制度の目的は、監護人が被監護人を監視し、違法行為を防止し、他者や社会に損害を与えないようにすることにある。今回のケースは、親や監護人に対する警鐘となるもので、親は未成年者の第一の監護人として、子どもに対して教育や管理を強化し、特に安全教育に力を入れ、不適切な行動が他人に損害を与えないようにする責任がある」と述べた。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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