「DeepSeek-R1」の衝撃、中国検索エンジン市場にパラダイムシフトの波

邦人Navi    2025年3月15日(土) 14時0分

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「DeepSeek-R1」の登場が中国の検索エンジン市場にも変革をもたらそうとしている。

DeepSeek-R1」の登場が中国の検索エンジン市場にも変革をもたらそうとしている。微信(WeChat)はこのほどAIを活用した「即答」と「熱考」のモード選択機能を試験公開した。ユーザーの意図を深く理解し、より精度の高い検索結果の提供が可能となっている。

微信が新たな「AI検索」機能

微信は自社の検索機能「搜一搜」にAI生成モデル「DeepSeek-R1」を統合し、新たな検索機能を試験公開した。この新機能は会話型検索を実現し、「即答」と「熱考」の二つのモードが提供されている。即答モードではテンセントの生成AI「混元」を活用し、迅速に明確な回答を提供する。一方、熱考モードではDeepSeek-R1が高度な推論を行い、深く思考を重ねた結果を導き出す。

「DeepSeek-R1」は、自然言語処理や推論において高い性能を発揮し、複雑な数式やコード解析も得意としている。検索結果は微信内の公開情報だけでなく、ウェブ全体に広がり、ユーザーの意図をより深く理解した結果が表示される。ただし、個人情報が関わる「朋友圏(モーメンツ)」やチャット内容にはDeepSeekの生成AIは使用されないとされる。

Perplexityに「ディープリサーチ」機能

微信より一歩先に「DeepSeek-R1」の導入に踏み切ったのがAI検索スタートアップのPerplexityだ。同プラットフォームは米国ベースでのデータ処理を通じたユーザーのデータ保護を強調し、グーグルのGeminiやChatGPTサーチに匹敵する精度と速度を提供することに成功した。

百度、背に腹は代えられぬ決断?

こうした中、百度(バイドゥ)も自社の検索エンジン「百度捜索」にDeepSeekの深層検索機能を統合したと発表した。ユーザーは無料で高度な推論能力を利用できる。また、開発者向けのプラットフォームも提供され、AIエージェントの調整やモデル開発が支援されている。

■中国の検索エンジン市場シェア(2025年1月)

デスクトップ検索エンジン市場シェア:

Bing50.99%、百度30.15%、Haosou 14.24%、搜狗(Sogou)1.76%、グーグル1.68%、YANDEX 1.15%

モバイル検索エンジン市場シェア:

百度58.6%、Bing25.49%、YANDEX4.6%、Haosou4.13%

「検索から推論」への新時代へ

中国の検索エンジンといえば、今なお百度が圧倒的なシェアを誇るが、従来のキーワードマッチングによる画一的な検索結果に満足しているユーザーは少ないとみられる。特に広告に埋もれた検索結果や無関係なリンクの表示には批判の声が上がることもあった。

そんな検索エンジン市場にパラダイムシフトを引き起こしかねないDeepSeekの登場。AIの推論能力は検索エンジンを情報収集の道具にとどめない。ユーザーと対話し、思考を共にするインテリジェントなシステムへの進化が期待できそうだ。(提供/邦人Navi)

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