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13日、中国のポータルサイト・網易に「欧米のスポーツ集客は今や日本のアニメ頼みか?」と題した記事が掲載された。資料写真。
2025年3月13日、中国のポータルサイト・網易に「欧米のスポーツ集客は今や日本のアニメ頼みか?」と題した記事が掲載された。
記事はまず、先月末、米NBA(ナショナル・バスケットボール・アソシエーション)のロサンゼルス・レイカーズがアニメ「ONE PIECE(ワンピース)」とのコラボを発表したことに触れ、「この突拍子もないコラボに対し、両者のファンは戸惑いを隠せなかった。ほどなくして、麦わらの一味がレイカーズのユニホームを着たビジュアルが公開されたが、具体的なコラボ内容については明かされなかった。数日後、レイカーズの本拠地で特別イベント『ONE PIECE NIGHT』が開催された。当日は、コラボTシャツやルフィのフィギュアなどの限定グッズが公開されたほか、実写版『ONE PIECE』でルフィを演じた俳優もゲストとして登場。さらに試合の合間には、ルフィのショートアニメが放映され、国内外のSNSで大きな話題となった」と伝えた。
そして、「この熱狂が冷めやらぬうちに、日本の映画配給会社・アニプレックスは『鬼滅の刃』のコラボレーションムービーを公開した。コラボ相手は、NBAと並ぶ米四大プロスポーツリーグの一つであるMLB(メジャー・リーグ・ベースボール)。ムービー内では主人公の竈門炭治郎(かまどたんじろう)がバットを手にして試合に挑むことはなかったが、代わりに彼の師匠である鱗滝左近次(うろこだきさこんじ)が、試合に出場した大谷翔平について『この子はよい呼吸をしている』と鬼殺隊基準で評価する場面が描かれた」と紹介した。
記事は、「『ONE PIECE』とレイカーズのコラボとは異なり、『鬼滅の刃』とMLBのコラボの背景は容易に推測できた。MLBは『鬼滅の刃』の圧倒的な人気とその販促力に注目し、『MLB Tokyo Series』の盛り上げを狙ったのだ。『MLB Tokyo Series』の期間中にはコラボ商品が受注生産で販売され、『鬼滅の刃』ファンの来場を促す仕掛けも用意されている。また、日本は野球文化が根付いた国であるため、MLBはこの機会を利用してさらなる市場拡大を図りたかったのだろう」と推察した。
その上で、「わずか半月の間に『ONE PIECE』とNBA、『鬼滅の刃』とMLBのコラボが相次いで発表され、欧米のスポーツは今や日本のアニメに頼って集客しているのではと思わせる状況となった。ただこの流れ自体は数年前から兆しがあり、『ONE PIECE』だけを見ても、過去2年間で米四大プロスポーツリーグと2度のコラボを実施している。1度目はNFL(ナショナル・フットボール・リーグ)のロサンゼルス・ラムズ、2度目はMLBのボストン・レッドソックスとのコラボだ。とはいえ、当時のコラボはTシャツや帽子といったコラボグッズが販売され、会場で簡単なプロモーション映像が流される程度であった。今回のように特別なコラボレーションムービーが制作されるほどの規模ではなかったため、話題性もそこまで高くはなかった」と振り返った。
また、「これらのコラボには共通点がある」と言及。「いずれのコラボもNetflix(ネットフリックス)の実写版『ONE PIECE』が配信された後に実施されたという点である。この実写版は、アジア圏の『ONE PIECE』ファンにはさほど高評価ではなかったが、欧米圏では非常に好評だった。IMDbやRotten Tomatoesといった欧米の大手レビューサイトでも高評価を獲得し、これをきっかけにアニメや漫画の人気が再燃。一部の配信者たちは視聴者と一緒に『ONE PIECE』を一気見するというコンテンツを日常的に配信するようになった」と伝えた。
そして、「この人気の波に乗る形で、NFLとMLBの2チームが相次いで『ONE PIECE』とのコラボを企画した。客観的に見れば、これは単なる『相互プロモーション』にすぎない。しかし時期的に考えれば、当時のNFLやMLBは『ONE PIECE』の人気を活用して集客しようとした側面が強かったと考えられる。レイカーズの『ONE PIECE NIGHT』の会場を見ると、現地には多くの『ONE PIECE』ファンが詰めかけ、麦わら帽子をかぶったり、筋肉質なルフィのコスプレをしたりする姿が見られた。同時に、麦わら帽子をかぶりながらレイカーズのユニホームを着ている観客も多く、一見関係がなさそうに見えた両者のファン層が、実際には一定数重なっていることが確認できた」と述べた。
記事は、「これは『欧米のスポーツリーグが衰退している』という話ではない。むしろ、その商業化の進展ぶりこそが、こうしたコラボを実現させる原動力となっている。資金力があるからこそ、大規模なコラボを展開し、さらなる市場拡大を狙えるのだ。対照的に、多くの日本のアニメは人気が高いにもかかわらず、基本的には『熱心なファン向け』の作品にとどまっており、『新たな市場を開拓しよう』という発想には乏しい。いわば、内輪だけで楽しむ傾向が強い」と指摘。「一つの作品の影響力が十分に大きければ、文化の輸出はもはや目的ではなくなる。何もしなくても、企業の方からコラボの提案が舞い込む。これこそが、優れた作品や強力なアニメ作品の持つ本当の価値なのだろう。そして、これは中国の関連業界にとっても、十分に参考にすべきビジネスモデルである」と論じた。(翻訳・編集/岩田)
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