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中国のニュースサイト・観察者網に12日、日本の路上で酒に酔った女性が寝ている様子を撮影した動画がSNS上で話題になっていることに関する評論記事が掲載された。
中国のニュースサイト・観察者網に12日、日本の路上で酒に酔った女性が寝ている様子を撮影した動画がSNS上で話題になっていることに関する評論記事が掲載された。
記事は、深夜にシャッターが下りた店の前や駐車場、階段など、あちこちで女性が酔いつぶれて寝ている様子を撮影した動画がX(旧ツイッター)上で6000万回以上再生されるほど注目を集め、日本のメディアも相次いで取り上げていることを紹介。こうした様子に海外のユーザーから心配の声が上がる一方で、「さすが日本、治安がいい!」「自分たちの国では間違いなく事件性を疑うが、日本では誰も気に留めず、むしろ治安が良いため本人はまったく身の危険を感じない」と称賛する声も出ているとし、「果たしてそれは本当か。このような現象は『正常』なのだろうか」と疑問を呈した。
その上で、「日本の治安が良いことは周知の事実だが、それでも絶対に安全ということはない。日本の治安は一部の人によって過剰に神格化されており、その結果、社会問題が見過ごされている側面もある」と指摘。「実際、日本では盗撮、ストーカー行為、性犯罪などが頻発しており、電車などでの痴漢行為は今なお根強く残っている問題だ」とした。
そして、「もし本当にそれほど治安が良いのなら、なぜ女性専用車両を設置したり、盗撮防止のためにスマートフォンのシャッター音が鳴るように強制的に設定されたりしているのか。日本社会は女性の安全を確保する上で依然として課題を抱えており、外部から想像されるような心配無用の状態にはまだほど遠いのが現実だ」と論じた。
記事は、女性が深夜に道路に倒れているのを行き交う人々が無視して通り過ぎ、さらに動画を撮影してSNS上にアップロードする人までいるという状況について、外国人からは「理解できない」という声も上がっていると言及した上で、その背景として「日本人には個人主義と『自分には関係ない』という文化的観念が根付いている。多くの日本人は他人のことに干渉しないのが成熟した社会のルールであると考えており、特に見知らぬ人に対しては過剰に干渉するのは不適切だとの認識がある」と説明した。
また、動画を撮影した上にSNSにアップロードし、注目を集めようとするユーザーがいることについて「日本社会のネット倫理やプライバシー保護に関する問題を浮き彫りにしている」と指摘し、「動画共有サイト・YouTubeには同様のテーマのチャンネルが存在しており、深夜に路上で寝ている女性を撮影しただけの動画が100万回近くの再生数を稼いでいる。こうした動画を見ているのがどんな人々で、どんな気持ちでそれを見ているのか、想像するのは難しい」と論じた。
さらに、こうした動画の多くが歌舞伎町や大久保公園などで撮影されたことは考察に値するとし、「路上で寝ている女性の多くが水商売に従事したり、援助交際をしたりしている可能性が高い。若い女性、特に低所得層や借金を抱えている女性は風俗業で高収入を得ることも少なくない。また、日本に根付いた『接待文化』も多くの場合、女性がサービス提供者になっており、このことが無意識のうちに風俗業を助長している。日本社会は女性が風俗業に従事することに対して比較的寛容的であり、必ずしも社会的な汚点とは認識していない」と指摘した。
記事は、風俗業の特性として女性が過度に飲酒をせざるを得ないケースが多く、そうした現状が動画の光景の背景になっていると言及。「路上で寝ている女性らは社会構造の中で生み出された犠牲者でもある。それを見て『治安が良い』と表面的な評価を下すだけではなく、何がそのような構造を作り出しているのか深く考えるべき」とし、「真の安全とは女性が無視されることによって安全が担保されるのではなく、女性が経済的に独立し、法的な保護を受けられ、尊厳を持てるようにすることだ」と論じた。(翻訳・編集/北田)
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