中国メディアの参考消息によると、シンガポールメディアのザ・ストレーツ・タイムズはこのほど、中国について「空飛ぶクルマの量産化が視野に」とする記事を掲載した。

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記事はまず、中国が「低空経済」の発展に向けた取り組みを強化する中、新興電気自動車（EV）メーカー、小鵬汽車（XPeng）の子会社が2026年に世界初の空飛ぶクルマの量産化を目指していると伝えた。

低空経済とは、主に高度1000メートル以下の低空域で展開される経済活動を指し、ドローン（無人機）による配送や空飛ぶクルマの量産化に向けた取り組みが加速している。

記事によると、「陸上の空母」とも呼ばれるこの未来的な乗り物は、陸上走行モジュールと飛行モジュールから成り、有人の飛行モジュールは陸上モジュールから分離して展開できる。業界団体はこの分野の価値が年内に約1兆元（約20兆4000億円）にまで拡大すると推計している。

低空経済は新たな成長エンジンと見なされ、中国政府の今年の政府活動報告でも「安全かつ健全な発展」を推進したい産業として再び言及された。政府機関と地方自治体は過去1年間、業界の成長を支援するため法規を策定しインフラを整備する取り組みを強化してきた。小鵬汽車や広州汽車集団などの自動車メーカーは空飛ぶクルマを市場に投入する取り組みを進めている。

小鵬汽車の何小鵬（ホー・シャオポン）董事長兼最高経営責任者（CEO）は、空飛ぶクルマの普及への道のりはまだ「比較的長い」とし、主な課題は必要な政策、法律、規制を整備することだと語った。同氏は中国の国会に相当する全国人民代表大会（全人代）の代表として空飛ぶクルマの操縦者の訓練と認証に関する議案を提出した。

中国政府はこの分野に関する政策の策定と実施をさらに強化する構えだ。

深センのシンクタンク、総合開発研究院の宋丁（ソン・ディン）氏は、「規制面などの課題はあるものの、政府が低空経済の発展を積極的に推進しているため、空飛ぶクルマの実現はそう遠い未来ではなく、中国はこの分野で先駆者となることで、国際舞台で主導権を握れるようになるだろう」と語る。（翻訳・編集/柳川）