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全国政治協商会議の委員(議員)を務める春秋航空の王煜会長はこのほど、外国人を迎えるにあたっての中国の観光関連環境を改善する提言を行った。写真は北京大興空港。
全国政治協商会議の委員(議員)を務める春秋航空の王煜会長はこのほど、外国人を迎えるにあたっての中国の観光関連を改善する提言を行った。中国では公共の場に外国人客が不慣れなしゃがみ式トイレが多いことも、問題点の一つした。また、高速鉄道網が発達したことで、移動の利便性がかえって損なわれた現象も存在するという。中国メディアの澎湃新聞が伝えた。
3月は中国にとっての「政治の季節」と言える。全国人民代表大会と中国人民政治協商会議(政協)が開催されるからだ。全国人民代表大会は国会に当たる組織で、中国人民政治協商会議は法律の議決権などはないが、政策の提言を行うことでよりよい政治を実現するために必要として、尊重されている。
政協は「各界の意見をくみ上げる」組織であり、共産党以外の政治党派も参加している。また、経済界を代表する人物も多く参加しているために、改革開放が本格化すると「重み」が増した。春秋航空の王煜会長も、中華全国工商業聯合会の一員として委員を務めている。
王会長は現在の観光関連政策を「昨年、一連のインバウンド観光の利便性向上政策が発表された後、特にビザなしで入国する外国人旅行者の数が増加した」と評価した。例えば2024年12月には、春秋航空の日本路線の航空券販売数が前月比で50%以上増加し、韓国籍の入国者数は1月から10月までの平均に比べて6割以上増えたという。
王会長は一方で、ある調査の結果では、外国人が中国旅行について「行きたくない」「あえて行こうとは思わない」「不便だ」という見方が存在すると紹介。例えば中国では公共の場に外国人客が不慣れなしゃがみ式トイレが多いことで問題が発生しているという。王会長は、しゃがみ式トイレはアジア式とされるが、現在では日本人や韓国人もしゃがみ式トイレには不慣れだと指摘した。王会長は洋式トイレを増設し、さらに必要な消毒設備の整備も必要と提言した。
王会長はさらに、中国では現代的な鉄道と空港システムは急速に整備され、旅行がより便利になったが、高速な発展の中でいくつかの新たな問題も発生していると論じた。
例えば、多くの地域で高速鉄道の駅と空港が別々に建設されており、乗り換えが不便であるために、国際ハブの形成に不利だと指摘した。問題の背景には、高速鉄道は近距離の航空路線を代替する性格を持っていることがあるという。
かつては航空ネットワークが大小さまざまな空港を網羅しており、出国する場合でも大都市に行く場合でも、空港で航空便を乗り換えれば、比較的円滑に移動できた。しかし高速鉄道の開通により短距離の航空便が次第に廃止され、例えば、かつては頻繁に運航されていた重慶・成都線や成都・西安線の航空便はなくなった。そのため、空港と高速鉄道の駅が離れた場所にあるために、旅行者の移動効率が低下する現象が発生している。
王会長は、今後の都市計画においては上海虹橋空港や成都天府空港の経験を参考にし、空港と高速鉄道の駅が密接に接続されるようにし、多くの交通網を効率的に利用できるようにすることを提案した。(翻訳・編集/如月隼人)
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