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3日、韓国メディア・韓国経済は「昨年は海外旅行が急増し、観光収支赤字が100億ドルを超えたと見込まれる」と報じた。写真はソウル。
2025年3月3日、韓国メディア・韓国経済は「昨年は海外旅行が急増し、観光収支赤字が100億ドル(約1兆4945億円)を超えたと見込まれる」と報じた。
韓国の旅行専門研究機関「Yanolja リサーチ」の報告書によると、昨年、韓国を訪問した外国人観光客数は1637万人だった。前年比48.4%の増加で、過去最多を記録した19年の93.5%ほどの水準に回復した。
ただ、インバウンドは増加したが、観光収入は164億5000万ドルで19年の80%水準にとどまった。前年比増加率も9.2%と伸びなかった。主要原因の一つには、免税店の売り上げ減少が指摘された。19年の国内免税店の外国人売上高は178億4000万ドルに達したが、23年は84億7000万ドルと約半分になり、昨年は81億6000万ドルまで落ち込んだ。
クルーズ船での旅行者数が増えたことも、観光収入の回復鈍化の一因に挙げられた。昨年のクルーズ旅行者数は73万1000人まで急増し、外国人観光客全体に占める割合も拡大した。しかしクルーズ旅行者は韓国での滞在期間が短く、消費規模が相対的に小さい傾向にあるため、観光収入の拡大にはつながらなかったとの分析だ。
一方、昨年に韓国人が海外で使用した観光支出は264億9000万ドルで、19年の90.5%水準だった。23年との比較では6.1%増加した。観光収入の回復率が観光支出の回復率に追い付けず、観光収支赤字が拡大している。19年を基準とした観光支出の回復率は23年が84.6%、24年が90.5%を記録したが、観光収入の回復率は72.6%と79.3%にとどまり、格差が拡大した。19年には85億2000万ドルの赤字だった観光収支はさらに悪化し、昨年は100億4000万ドルの赤字となった。
報告書は、活路を見いだすには「中国依存」を減らすなど多角化を図る必要があると指摘している。
24年に韓国、日本、台湾、タイ、シンガポール、ベトナム、フィリピンなど主要なアジア諸国を訪れた中国人の数は、19年に比べ大幅に減少している。韓国を訪れる外国人で最も多いのが中国人で、昨年は460万人が入国したが、それでも19年の76.4%にとどまる。
中国人の海外旅行減少の背景には、景気の鈍化と対外経済環境の変化があるという。長引く不動産市場の停滞、それに伴う資産価値の下落が、中国内の消費心理を萎縮させ、海外旅行支出を減らしている。これに加え、欧米などの関税引き上げが中国の輸出依存経済に衝撃を与えた。
専門家は「中国依存的なインバウンドの構造を、より多角的なものに転換する必要がある」「中国以外の国を対象に積極的に観光客を誘致すれば、過去に最も多くの観光客を誘致した19年の実績を超える可能性は十分にある」と話している。
この記事に、韓国のネットユーザーからは「このままでは外貨流出でまた国際通貨基金(IMF)のお世話になりかねない」「テレビで毎日のように芸能人が海外グルメを紹介しているから、当然の結果だろう」「韓国国内の物価高はひどいから、東南アジア、日本、中国などに行きたくなるのは当たり前」「海外のほうがおいしい物も見どころも多い」「韓国国内の主要な観光地のぼったくり料金が問題だ。観光客の信頼を裏切る商売のやり方は、いずれ墜落を招く」といったコメントが寄せられている。(翻訳・編集/麻江)
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