米実業家イーロン・マスク氏の人工知能（AI）スタートアップ、xAIは18日、最新AIモデル「Grok 3」を発表した。マスク氏は「地球上で最も賢いAI」だとしているが、米ボイス・オブ・アメリカの中国語版サイトは19日、「中国のネットユーザーの反応は冷ややかだ」と伝えた。

記事によると、xAIは、応答速度を重視した「Grok 3 mini」も発表した。数学、科学、プログラミングのベンチマークテストにおいて、Googleの「Gemini 2 Pro」、OpenAI の「GPT-4o」、中国のDeepSeekの「V3」などの競合をしのぐスコアをたたき出したという。

しかし、Grok 3の発表に対する中国のネットユーザーの反応は冷ややかだ。多くの点でDeepSeek V3よりも優れていると言われているものの、投資コストの多大さを指摘する声が寄せられている。DeepSeek V3の訓練コストはわずか558万ドル（約8億4816万円）だ。

中国の動画配信サービス、Bilibili（ビリビリ）のチャンネル「C哥聊科技」は、16万回近く視聴された動画で、「発表会を見たが、本当にがっかりした」とし、「地球上で最も賢いと言われているらしいが、はっきり言って、環境汚染であり、資源の無駄遣いだ」と評した。

DeepSeek V3が誰でも無料で利用できるのに対し、Grok 3を利用するには現在のところ、X（旧ツイッター）またはGrok専用の有料プランに登録する必要があることを指摘する声や、DeepSeek V3は無料で利用できることに加えて、オープンソースモデルであるという点で、ほとんどの西側の大規模言語モデルとは異なると指摘する声もあったという。（翻訳・編集/柳川）