韓国元天才子役の訃報後も本人への誹謗中傷やまず、専門家「韓国社会は巨大なイカゲーム」

Record Korea    2025年2月18日(火) 14時0分

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18日、韓国・東亜日報によると、女優キム・セロンさんの訃報を受け、専門家から「有名人をやり玉に挙げる社会の雰囲気に問題がある」との指摘が出ている。写真はキムさんの微博アカウントより。

2025年2月18日、韓国・東亜日報によると、女優のキム・セロンさん(24)を死に追いやった原因の一つとされるSNS上での誹謗(ひぼう)中傷について、専門家から「飲酒運転などの本人の過ちとは別に、有名人を『ストレス発散のためのサンドバッグ』のようにやり玉に挙げる社会の雰囲気に問題がある」との指摘が出ている。

記事によると、16日にキムさんの訃報が伝えられた後も、韓国のSNS上にはキムさんへの誹謗中傷が続々と寄せられている。17日、あるオンライン掲示板には「死のうが生きようがどうでもいい。飲酒運転をしたやつが死んだだけなのに騒ぎすぎ」「キム・セロンが死んだと聞いても正直何とも思わない。そもそも飲酒運転をしたのが悪い」といった内容の書き込みがあった。

キムさんの訃報を受け、キムさんのファンらはオンライン声明を発表し「彼女は自身の過ちを認めて反省し、再び立ち上がるため努力していた」「その中で彼女に浴びせられた非難や世間の冷たい視線は、人間が耐えるには限界を超えていた」と訴えた。歌手のMIGYOもSNSで「誹謗中傷コメントを書く人たちは、人が死ぬまで書くことをやめない」と批判したという。

キムさんは、01年にモデルとしてデビューし、09年に子役としての活動をスタート。映画「アジョシ」(10年)などに出演し、天才子役として注目された。しかし22年に飲酒運転による事故を起こして活動を休止。その後はカフェなどでアルバイトをしながら活動再開に向けて準備を進めていたが、SNS上ではキムさんへの冷やかしやからかいのコメントが後を絶たなかった。

アイドルグループ「f(x)」の元メンバーで女優のソルリさんも生前、麻薬使用や不倫疑惑などの誹謗中傷コメントに苦しんだとされている。歌手のク・ハラさんも熱愛を認めた後に誹謗中傷を受け自ら命を絶った。19年からの5年間で警察に通報があったインターネット上での名誉毀損(きそん)・侮辱の件数は12万件に上ったという。

こうした状況を受け、韓国のポータルサイトでは芸能・スポーツニュースのコメント欄が廃止されたが、ネットユーザーらは当事者のSNS投稿に書き込むなどの方法でいまだに誹謗中傷を続けているという。

専門家からは「飲酒運転は非常に大きな過ちだが、失敗したり落ちこぼれたりした人を捨てて何事もなかったかのようにふるまう韓国社会の姿はまるで巨大な『イカゲーム』のよう」「経済悪化などの社会的ストレスが深刻化し、それが匿名のオンライン文化と結びついて、誰かが過ちを犯すと集中攻撃する文化が広がった」「芸能人をサンドバッグにして自分のストレスを発散することは明らかに問題。社会が混乱しているときにこうした現象はより一層激化する」などと指摘する声が上がっているという。

韓国のネットユーザーからは「メディアにも問題がある。スクープだと騒いで芸能人の事故を連日報道し、当事者を極悪人に仕立て上げて誹謗中傷コメントをあおっている」「誹謗中傷コメントを書き込む人よりも、誹謗中傷するように誘導する記者やユーチューバーの方が深刻な問題」「キム・セロンの過ちではなく、芸能人の飲酒運転、麻薬、脱税などを簡単に許す裁判所に全責任を追わせるべき」「彼女が亡くなったのは本当に悲しいことだけど、飲酒運転をした人に温かい言葉をかけることはできない。批判されて当然だ」「飲酒運転も自分の選択。その後大して間をあけずに飲酒パーティーをしてSNSに載せたのも自分の選択。カフェでバイトするふりをしたのも自分の選択。誰も強要していない」「今回のことは残念だけど、亡くなったことによって飲酒運転が『大した罪でない』と認識されてしまうことも残念」などの声が寄せられている。(翻訳・編集/堂本

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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