Record China 2025年2月18日(火) 5時0分
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中国では人型ロボットの開発が急ピッチで進められ、新製品の発表や発売も相次いでいる。中国がこの分野で米国にも引けをとらない状況を示していることには「三つの理由」があるという。
旧暦の大みそかである1月28日の夜から翌29日未明まで放送された、中国の旧暦年越し番組の春節聯歓晩会(春晩)で評判になった演目の一つに人型ロボットのダンスがあった。ロボット十数台が、中国の東北地方を中心に春節などに披露される秧歌(ヤンガー)と呼ばれる民間の集団舞踊を一糸乱れず演じてみせたのだ。しかもロボットは、人のダンサーとのアンサンブルもこなした。中国では人型ロボットの開発が急ピッチで進められ、新製品の発表や発売も相次いでいる。中国メディアの上観新聞は15日付で、中国における人型ロボットの現状と今後の予測を紹介する記事を発表した。
春晩でダンスを披露したのは、ロボット製造会社の宇樹科技が開発した汎用人型ロボットのUnitree H1で、同社は最近になり購入予約の受け付けを始めた。価格は65万元(約1370万円)で、3月4日までの発送という。同社は同時に、もう一つの汎用人型ロボットのUnitree G1の予約受け付けも開始した。
宇樹科技は15日に、UnitreeG1がストリートダンスを披露する動画を公開したが、その身のこなしは非常に柔軟に見える。ネットユーザーは、「春晩の秧歌よりも良く踊っている」「リラックス感を持って踊っている」などと評した。
UnitreeH1の最初のモデルは2023年8月に発表された。UnitreeG1は24年5月だった。UnitreeH1は身長1.8メートル、体重47キロで、中国初の走行可能な等身大汎用型人型ロボットで、安定した歩行と柔軟な動作能力を持ち、複雑な地形や環境下で自立して移動できる。移動速度は毎秒3.3メートルに達し、発表当時の世界記録だった。移動速度は秒速5メートルにまで伸ばせる見込みだ。UnitreeH1はダンスだけでなく空中での回転など難度の高い動作も行うことができる。
UnitreeG1はUnitreeH1とは対照的に身長1.32メートルのコンパクトな人型ロボットだ。UnitreeH1よりも全身の自由度が高く、寝そべった状態で腰を曲げてその腰を伸ばす反動で跳ね上がって直立するなどの、軽業も可能だ。また、手は精密に物をつかめるので、ハンマーなどの道具を使うことができる。
上海交通大学ロボット研究所の博士課程指導教員である閆維新氏はこれまで、多くの人型ロボットの開発に関わって来た。閆氏は人型ロボットの使い道について、まず教育分野と人との相互方向的な娯楽分野があるとの考えを示した。教育分野では、大学や研究機関の教員と学生のチームがロボットの教育や研究を行い、企業が開放するソフトウェア開発インターフェースを利用してロボットの能力を増強し、さらに多くの技能を持たせることができるので、技術者育成の用途に適している。
相互方向的な娯楽分野では、ダンスを踊らせるだけでない。この用途の延長線上には、ホテルのフロント係やサービススタッフなどとしての利用がある。人工知能(AI)を使ってロボットを訓練し、「フロント係」や「サービススタッフ」として顧客との意思疎通の水準を高めることができる。
閆氏によると、製造業企業はロボットの生産速度や信頼性、コストに対して非常に高い要求をしており、人型ロボットが工場の「正社員」になることには今も一定の難しさがある。家庭サービスについては、操作精度、安全性、コストなどの問題などがあり、人型ロボットの商用化にはさらに長い道のりがある。ただし、人型ロボットでのAIの利用は人々の想像を超えて急速に発展しているという。
閆氏は人型ロボットで次に実現される用途として、人にとっては危険な環境下での作業を挙げた。
中国の人型ロボットの開発は、米国のトップ企業と比べても、さして遜色がない状態だ。閆氏は中国が「善戦」している理由について、三つを挙げた。まず、計算能力において、中国ではチップの開発が急速に進んでおり、高性能GPUの国産化が実現される見込みがある。次に、アルゴリズム面では、人工知能(AI)ディープシークの台頭によって、AIと一定の技術手段を組み合わせれば、よい結果を得られることが分かってきた。さらに実際の応用について、中国には豊富な場面と多くのユーザーが存在するためにより多くのデータを収集できる。閆氏によれば、中国での人型ロボットの開発には、よい条件がそろっている。(翻訳・編集/如月隼人)
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