中国躍進の「真の秘密兵器」とは何か―香港誌編集長

亜洲週刊    2025年1月23日(木) 6時30分

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香港誌亜洲週刊の邱立本編集長はこのほど、中国を躍進させた「真の秘密兵器」を、具体例をまじえて紹介する文章を発表した。写真は南京農業大学で講義を受ける学生ら。

香港誌亜洲週刊の邱立本編集長はこのほど同誌上で、中国を躍進させた「真の秘密兵器」を指摘し、具体例をまじえて紹介する署名入り文章を発表した。以下は、日本人読者向けの若干の情報の追加を含めて同文章を再構成したものだ。

中国の軍事技術が急発展、「ハニートラップ」などでは説明不能

中華民族の強大な文化遺伝子は、教育と学習を重視することだ。貧しい家族の子も、懸命に勉強すれば清華大学北京大学に入学することができる。学歴のない地方在住の若者も、学習を続けて社会でのし上がろうとする。これはいずれも、中国に革新をもたらす秘密兵器だ。

中国の軍需産業の発展が世界を驚かせている。軍事技術の分野には陸海空の3軍だけでなく、宇宙関連や人工知能(AI)もある。世界は「これらの革新的な武器を発明した人材はどこから来たのか」と問い続けている。

西側の主流メディアは、中国の先端軍事技術について「スパイが情報を盗んだ」「大金を支払って不正に入手」「ハニートラップを使った」などと、手段を選ばす技術を入手していると論じてきた。しかし現在、中国の一部技術は西側諸国には同類の技術が見当たらないほど進んでいる。つまり西側から入手した技術ではない。むしろ西側が、中国の技術をいかにして「盗む」かを考えるようになった。

このことは、中国の教育システムが、大量の科学技術エリート人材を育成できることを示している。

米国の制裁を受けたハルビン工業大学など軍需産業と結びついた7大学は、かなり早い時期から米国のブラックリストに載っていた。しかし米国側が各種禁止措置の強化を続けても、これらの大学はかえって大きな成果を出し続けるようになった。まして、エリート大学育成のための「九八五計画」や「二一一計画」の対象校がいずれも優秀な人材を輩出していることは、言うまでもない。

過酷な受験競争は非情ではない、「温情」の社会システム

中国の大学が優秀な人材を輩出している背景には、厳しい競争制度がある。毎年の大学入試と大学院入試は、人材育成のゆりかごであり、西側先進国にはない傑出した人材を出現させている。

中国内外の多くの人が中国の試験制度は過酷すぎて非情だと批判しているが、まさにこのような非情な制度こそ「温情」を出現させるものだ。すなわち社会の底辺層の出身者に、階層の壁を突き破って社会の上層に登るチャンスが与えられているからだ。

中国のインフラ建設が過去10年余りで極めて強化された背後には何百万人もの技術者の努力があった。

中国の大学卒業生は毎年1000万人に達し、その半数近くが理工系であるために、世界最大の高速鉄道と高速道路システム、橋とトンネルシステムを建設という、インフラ建設での飛躍的進展を実現することができた。米国は最近になりインフラ建設で中国を追いかけると言い出したが、米国の技術者は不足しており、大学工学部の学生の多くは外国人留学生だ。そのため、インフラ建設を大規模に進めようとすれば、人材の「外国からの輸入」に頼るしかない。

中国人の学習目的は、高学歴の取得だけではない

人材に関連する「中国の秘密兵器」は、入学試験を突破して高学歴を得ようとすることだけではない。全国民に存在する「学習を生涯にわたって続けよう」とする雰囲気だ。馬雲ジャック・マー)氏は大学受験に3度も失敗した。就職活動も失敗を繰り返した。ケンタッキー・フライドチキンに入社しようとした時には、24人が同時に受験して23人が採用された。唯一の不採用はジャック・マー氏で、「外見が宇宙人のようだ」との理由だったという。しかしマー氏は独学で英語を巧みに扱えるようになった。また、アリババを設立して大企業に育てた。

馬化騰(ポニー・マー)氏は当時、まだ有名でなかった深セン大学を卒業した。しかしその後も学習を続けることを堅持し、テンセントを設立し、ウィーチャットを立ち上げ、中国人の生活様式を変えた。

中華民族の強大な文化遺伝子である教育と学習の重視により、貧しい家からも名門大学に入学する若者が出現し、高学歴でない場合でも、時間を作り出して学習を続ける。

中国のどの都市の書店も、週末には本を読みに来る人が大勢いる。本を買う金銭の余裕がない人も、なんとか学習しようとする意欲にあふれている。

これらはいずれも、中国の革新の秘密兵器だ。知識は運命を変える。中国人がこぞって知識を得ようとする状況が、全世界の運命を変えることになる。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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