日中の高速鉄道競争、専門家が読み解く=「地理・価格・産業面で日本は不利」―中国メディア

Record China    2014年9月26日(金) 5時20分

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25日、インド紙「ザ・タイム・オブ・インディア」は今月23日、「中国と日本がこれから高速鉄道の受注をめぐって激しい競争を展開することは確実だ」との見方を示した。写真はニューデリーの鉄道駅。

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2014年9月25日、インド紙「ザ・タイム・オブ・インディア」は今月23日、「中国と日本がこれから高速鉄道の受注をめぐって激しい競争を展開することは確実だ」との見方を示した。インドメディアにこのように予測させたのは、日本の太田昭宏国土交通相のインド訪問とインドへの新幹線売り込みのニュースだ。日本のメディアによると、日本側はできるだけ早くインド西部のアーメダバード-ムンバイ間の高速鉄道を受注したい考えだ。だが中印はかなり以前に鉄道協力の覚書と行動計画に調印している。法制晩報が伝えた。

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アジア諸国での高速鉄道プロジェクトをめぐる競争で、中国と日本はどちらがより多くの強みを備えているだろうか。この問いに対し、シンガポールの有名シンクタンク・東南アジア研究所副総幹事の黄基明博士と同研究所東南アジア諸国連合(ASEAN)研究センターシニア研究員のタームサック・チャラーンパラヌパップ博士はどちらも、日本に比べて中国の高速鉄道の方が多くの面で強みがあり、中国に勝算があるとの見方を示す。

▼競争・強み 「地の利」で中国の高速鉄道により魅力

日本の新幹線と比較して、中国の高速鉄道にはどのような競争上の強みがあるか。

黄博士:高速鉄道プロジェクトの置かれている地理的な位置づけが中国にとってより有利に働く。中国はアジアのいくつかの国々と長く国境を接しており、これはつまり中国とこれらの国々には隣国同士に関連することが多くあり、プロジェクトなどを通じていろいろな問題が一気に解決できる可能性があることを意味する。アジア諸国にとっては非常に魅力的な話だ。

また中国は日本には出来ないメリットを提供できる。たとえばアジアインフラ投資銀行(AIIB)を通じて資金調達の便宜を提供することができる、ASEANをはじめとするアジア諸国に十分な利益を上げられるプロジェクトや工事を提供できる、などだ。

タームサック博士:中国には目立った強みがあるといえる。日本では無理だが、中国であれば東南アジア諸国から「物々交換」によって高速鉄道の建設費用を受け取ることができる。また東南アジア諸国との交通の連携を強化する上で、中国には独自の戦略がある。中国は将来、高速鉄道プロジェクトをめぐって低コストの貸出という便宜を提供することも可能だ。

▼価格・比較 中国がよりお値打ち、日本の利益度外視の落札はあり得ない

グローバル研究報告によると、海外での高速鉄道建設費用のコストは1kmあたり0.5億ドル(約54億円)だが、中国なら0.33億ドル(約36億円)で済む。日中の高速鉄道は価格の面でどのような違いがあるか。

タームサック博士:日本の新幹線の価格は中国よりも高額で、この価格的な劣勢によりインド側はまだ態度を決めかねている。多くの国がおそらくより廉価な技術を求めている。ここ数年来、コストが高すぎるため、日本の新幹線の海外売り込みは大きな成果を収めていない。中国の高速鉄道技術は日本の新幹線よりも「お値打ち」であり、コストパフォーマンスも高い。

日本の国際協力機構(JICA)専門家の鈴木基義氏はASEAN諸国の取材に答える中で、「日本のアジアに対する新幹線売り込みは、たとえ利益がゼロであっても受注を勝ち取るべきだ」と述べた。日本は本当に採算度外視で高速鉄道を売るのだろうか。

タームサック博士:どんな理由があるのか知らないが、実現する可能性はないと思う。

▼協力・展望 高速鉄道プロジェクト投資で、中国は長期的に好感抱かれる

日本メディアの報道によると、2015年末までにASEAN経済共同体(AEC)が発足すれば、地域内の貿易がより活発になる。中国が物流網で主導的な地位を獲得すれば、日本が被る損失は計り知れない。経済連盟の発足が中国の高速鉄道の発展を大きく促進するだろうか。

黄博士:AECは中国南部の国境地域に安定し繁栄する地域環境をもたらすことができる。この地域は中国にとって巨大な市場という意味をもち、その重要性が日に日に高まっている。このような戦略的な理由により、高速鉄道の線路が中国とASEAN諸国との経済的連携やその他の連携を加速させ、深化させることになる。迅速な交通手段は重要な役割を果たすようになる。これに観光産業の発展が加わって、中国とASEAN諸国との距離がますます近くなる。また中国が高速鉄道プロジェクトに投資することで、ASEANの国々は中国に対し長期にわたり好感を抱くことになる。

タームサック博士:鉄道がつながれば、中国の貿易の発展を一層促進することができる。来年はASEANと中国との貿易額が倍増して5000億ドル(約54兆5500億円)に達する見込だ。特に中国-ASEAN自由貿易協定(ACFTA)の交渉が続いており、成立すれば、中国・ASEAN貿易をより一層促進することになる。中国とASEANとが手を結べば、世界最大の自由貿易区が誕生する。

▼労働力に技術支援、中国に勝算あり

中国とASEAN諸国の将来の高速鉄道をめぐる協力の見通しはどうか。

黄博士:中国とASEAN諸国の将来の高速鉄道などのインフラ協力の見通しは非常に明るい。一部の国の政府には高速鉄道のような大規模な工事プロジェクトを計画する力がないが、中国はこうした国々を支援できる。また大規模な工事プロジェクトを実施する際、中国は現地のために十分な労働力を生み出すことができる。これに技術移転の可能性が加われば、中国が勝利する公算が大きくなる。

タームサック博士:中国は適切な技術支援と長期的な支援を提供し、ASEAN諸国が高速鉄道のプランを一歩ずつ実施するように導くことができる。たとえばラオスの場合は鉄道交通が非常に限られたもので、ラオスとシンガポール、マレーシア、タイ、中国とを鉄道でどのようにつなぐかを、中国は今後考えていかなければならない。(提供/人民網日本語版・翻訳/KS・編集/武藤)

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