亜洲週刊 2024年12月22日(日) 20時30分
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香港メディアの亜洲週刊はこのほど、「韓国大統領は悲惨な結末」と題する記事を発表した。同国では1948年8月15日の建国以来、13人が大統領を務めたが、多くが正常とは言えない運命をたどることになった。
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韓国では国会で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領の弾劾決議案が可決され、大統領の職務が停止された。同国では1948年8月15日の建国以来、13人が大統領を務めた(大統領代行を除く)が、その多くは正常と言えない運命をたどることになった。香港メディアの亜洲週刊はこのほど、「韓国大統領は悲惨な結末」と題する記事を発表した。本稿は、その主要部分を日本人読者向けに若干の情報を追加することを含めて再構成したものだ。なお( )内に示した年はすべて大統領在任期間を示す。
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李承晩(イ・スンマン、1948-60年)大統領は、60年に4期目の大統領に就任した後に、選挙過程で不正があったとして全国規模の学生などによる抗議運動が発生した(4月革命)。李大統領は辞任を表明して米ハワイに亡命し、65年にホノルルで死去した。
尹潽善(ユン・ボソン、60-62年)大統領は就任してから1年足らずで軍事クーデターを起こされて実権を失い、任期終了前に辞任した。
軍事クーデターを起こした中心人物の朴正煕(パク・チョンヒ、1963-1979)氏は大統領代行を経て大統領に就任した。朴大統領の在任期間には韓国経済が急成長して国民の生活水準は著しく向上したが、独裁的な政治手法は批判された。1974年には在日韓国人の文世光(ムン・セグァン)がソウル市内でイベントに出席した朴大統領を狙って発砲する暗殺未遂事件が発生した。朴大統領は無事だったが、妻の陸英修氏が頭部に弾丸を受けて死亡した。朴大統領は79年10月に、韓国中央情報部(KCIA)部長だった金載圭(キム・ジェギュ)に射殺された。
朴大統領の暗殺を受けて崔圭夏(チェ・ギュハ、79-80年)氏が大統領代理を務め、次いで正式に大統領に就任したが、79年12月に発生した陸軍のクーデターにより有名無実の大統領になり、80年8月に辞任した。
次の大統領に就任したのは、クーデターを起こした中心人物だった陸軍の全斗煥(チョン・ドゥファン、80-88年)少将だった。全大統領の時代には経済が発展し五輪誘致の成功や中国との国交樹立などの成果があったが、反政府活動の取り締まりは厳しかった。特に学生などによる民主化運動を軍を出動させて弾圧した光州事件では多くの市民が犠牲になった。
退任後は一族の不正や民主化弾圧の責任が問われて死刑判決を言い渡されたが、終身刑に減刑され、97年には恩赦が適用されて98年に釈放された。
盧泰愚(ノ・テウ、88-93年)大統領は、退任後の95年に政治資金の隠匿などで無期懲役を言い渡されたが、その後に大統領の指示により裁判が再び行われ、懲役17年の刑が確定した。
金泳三大統領(キム・ヨンサム、93-98年)は経済と政治改革を進めて、汚職取り締まりにも力を入れたが、任期中に長男が汚職で投獄された。
金大中(キム・デジュン、98-2003年)大統領は、アジア金融危機に見舞われた経済の回復に力を入れ、朝鮮半島の緊張緩和に向けた「太陽政策」を積極的に推進し、2000年に南北二国間会談を成功させ、同年にノーベル平和賞を受賞した。しかし政権末期には次男と三男が収賄罪で実刑判決を受け、長男も退任後に収賄容疑で起訴された。
盧武鉉(ノ・ムヒョン、2003-08年、ただし63日間の職務停止期間あり)大統領は選挙法の中立原則に違反したと非難され、国会で弾劾されて停職に追い込まれたが、04年5月、憲法裁判所は弾劾案を覆し、盧大統領の職権は回復された。しかし退任後には家族や政権担当時の側近が金品絡みの不正で逮捕され有罪判決も出た。さらに自らも捜査対象になると崖から飛び降りて自殺した。
李明博(イ・ミョンバク、08-13年)は、退任後に収賄の罪で20年に懲役17年が確定した。ただし22年に健康状態を理由に刑執行が停止されて釈放され、同年中に特別赦免を受けて懲役期間の残り15年間の執行が取り消された。
朴槿恵(パク・クネ、13-16年)大統領については16年に、私的な友人である崔順実(チェ・スンシル)氏に特権を与えたとして民衆によるデモが発生し、同年12月に韓国国会は弾劾案を可決した。18年には韓国憲法裁判所は弾劾案を有効とする判決を示し、朴大統領は韓国史上初めて、弾劾によって退陣した大統領になった。
18年には朴槿恵元大統領に対して、収賄や職権乱用などで懲役14年の判決16件の罪で囚人14年の判決を受けたが、最終的に文在寅(ムン・ジェイン、17-22年)大統領から特赦を受けて釈放された。(翻訳・編集/如月隼人)
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