中国の対米金属輸出規制、次のカードは何か―中国メディア

Record China    2024年12月24日(火) 5時0分

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18日、観察者網は、中国による重要金属の対米輸出規制が今後さらに厳しくなる可能性があるとする海外メディアの報道を紹介する記事を掲載した。

中国メディアの観察者網は、中国による重要金属の対米輸出規制が今後さらに厳しくなる可能性があるとする海外メディアの報道を紹介する記事を掲載した。

記事はまず、英ロイターの18日付報道を引用。中国商務部が3日に通告を発表し、ガリウム、ゲルマニウム、アンチモン、超硬材料、グラファイトなどの二重用途物品の対米輸出を厳格に管理すると発表したことについて、米国による新たな対中半導体輸出禁止措置に対する、重要金属分野での主導的地位を利用した迅速な反撃であり「重要鉱物は、米国との激化する貿易紛争において中国の『最優先の武器』となるだろう。問題は、中国が次に選ぶ重要金属が周期表のどの元素かということだけだ」とロイターが評したことを伝えた。

また、ブルームバーグが「中国は今回の措置により他国企業による米国への製品販売を禁止する前例を作った」とし、制裁や輸出管理における「域外適用」がもはや米国や西側諸国の特権ではなくなったと評したことを紹介している。

その上で、米地質調査所(USGS)のデータによると米国のガリウム、ゲルマニウム、アンチモンの対中依存度はいずれも高く、中国がガリウムとゲルマニウムの全面輸出禁止に踏み切れば、米国経済に34億ドル(約5300億円)の直接損失をもたらし、供給網の混乱という波及効果を引き起こす可能性があるとしたほか、中国による重要金属輸出規制が米軍全軍種の兵器生産にも影響を及ぼし、1000を超える兵器システムと2万以上の部品の生産に支障が出るとの予測も出ていると伝えた。

さらに、優位性を生かした中国の規制によるダメージを軽減すべく、バイデン政権が数十億ドルを投じて国内の重要鉱物生産能力の再構築を進めているものの、その進展は遅いと指摘。アイダホ州のアンチモン鉱山再開計画は28年まで生産が見込めず、米国唯一のアンチモン加工業者も生産量を増加させるための供給源が確保できていないとしたほか、ガリウムに至っては米国内で1987年以降原料生産が行われていないと伝えた。

記事はその上で、米国にとって最大の問題は中国があらゆる重要鉱物分野で供給網を支配している点だとし、米シンクタンク「戦略国際問題研究所」(CSIS)によると、USGSが現在「重要鉱物」として指定している50種類のうち、半数以上の26種類が中国が最大の供給元となっていると紹介。これらの鉱物がいずれも中国による対米制裁のカードになり得る危うさを指摘した。

記事はこのほか、17日付の香港紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が中国による対米制裁措置について、「バイデン政権を対象としているものの、トランプ氏率いる次期米国政権への対応方法をすでに示唆するものだ」と分析したことを紹介。中国の有識者からも中国政府がトランプ氏に対して厳戒態勢を敷き、すでに準備を整えているとの見方を示していることを伝えた。(編集・翻訳/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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