CRI online 2024年12月12日(木) 16時50分
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中国科学院などの研究機関はこのほど米スタンフォード大学と共同で、中国東部の浙江省に位置する1万年前の遺跡とされる「上山遺跡」で化石分析を実施した結果、東アジア地域最古の酒類醸造の証拠を発見しました。
中国科学院などの研究機関はこのほど米スタンフォード大学と共同で、中国東部の浙江省に位置する1万年前の遺跡とされる「上山遺跡」で化石分析を実施した結果、東アジア地域最古の酒類醸造の証拠を発見しました。関連の研究成果は10日、米学術誌「米国科学アカデミー紀要(PNAS)」にオンラインで発表されました。
この研究チームは浙江省浦江県にある上山遺跡で12点の陶器の破片を採集し、分析した結果、これらの陶器は発酵、盛り付け、調理などの用途に使われていたことが分かりました。陶器の残留物からは米、ハトムギ、イヌビエ、コムギ類、ドングリ、ユリなど多種の植物のデンプン粒が発見され、多くのデンプン粒には酵素による加水分解と糊化の兆候が確認されたため、発酵過程が存在していたと判断されました。さらに、伝統的な酒の醸造に使われる真菌に属するベニコウジや酵母などの成分が大量に発見され、これらの真菌は土壌中に自然に存在していて陶器に混入したのではなく、発酵時に形成されたものであることも判明しました。
また、研究チームは、「陶器の種類により用途も異なり、たとえば小さな陶器のつぼは発酵酒の醸造だけに使用されていた可能性が高い。上山遺跡の先住民らは、稲作の初期段階から、陶器、特に小さなつぼを利用して、ベニコウジを主な糖化剤とする米酒を醸造していた」とみています。
当時、米酒などのアルコール飲料は宴会などで重要な役割を果たしており、こうした用途が新石器時代の中国の水稲の広範な栽培や利用、普及を推進した要因の一つだったとみられています。(提供/CRI)
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