中国でホーローボウル入りイチゴケーキが人気に

人民網日本語版    2024年12月12日(木) 15時40分

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中国でホーローボウル入りイチゴケーキが人気となっている。

「今年の冬第一弾のイチゴケーキがホーローボウルの値段をつり上げている」という話題が中国のネット上で検索のトレンド入りしている。取材では、直径約17センチのホーローボウルの価格は1カ月前の4元(約80円)から十数元(数百円)に高騰しているほか、同じようなサイズのホーローボウル入りイチゴケーキでも、価格が60元(約1200円)から200元(約4000円)とまちまちであることが分かった。

山東省臨沂市のあるホーロー製品メーカーは、「1年かけてストックしておいた20万個のホーローボウルが1日で売り切れた」としている。専門家は「ネットでホーローボウル入りケーキが人気になったことをきっかけに、ホーローボウルの売れ行きが好調になるのは当然起こり得る現象で、その影響は一時的なものに過ぎないだろう」との見方を示した。

ホーローボウル入りケーキが人気となり始めたのは約1カ月前のことだ。河南省長葛市のケーキ屋のオーナー・金さんによると、「当店はけっこう前からホーローボウル入りイチゴケーキを販売している。今年11月初め、陝西省西安市にあるネット上で人気のケーキ屋が動画でホーローボウル入りイチゴケーキを販売すると予告したのを見て、新商品を開発することにした。そして、すぐに山東省臨沂市のあるメーカーと連絡を取り、ホーローボウルをそこから直接仕入れた。その時、直径約17センチのホーローボウルは4元で、2500セット仕入れた。新商品を3週間販売して、すでに2000セットを使ってしまった。当店では約17センチのホーローボウル入りイチゴケーキを78元(約1560円)で販売している」という。

中国のネットユーザーからは、「ホーローボウル入りイチゴケーキは、ケーキ目当てというより、ホーローボウルを見て感じる『懐かしさ』が目当て」「ケーキというよりは、呼び起こしてくれる思い出を目当てに買っている」「ケーキを食べ終わった後はボウルにラードを入れておける」といったコメントが寄せられた。

ホーローボウルが飛ぶように売れていることは、山東省臨沂市のあるホーロー製品メーカーも実感しており、同社のマーケティング部のスタッフは「イチゴケーキがきっかけで、ホーローボウルが人気となり、1年かけてストックしておいた2000箱(1箱100個入り)のホーローボウル計20万個が1日で売り切れた。今でも注文が入ってきているが、その数は減り始めている。受注してから3日後の納品となる」と話した。「イチゴケーキがきっかけでホーローボウルも人気となっているが、生産規模を拡大する予定はない」としている。

陝西省社会科学院・経済所の顧菁(グー・ジン)副研究員は、「ホーローボウルが飛ぶように売れるというのは、典型的な『アテンション・エコノミー』の現象。ソーシャルメディアが追い風となって、レトロなイメージの容器と組み合わせた普通のケーキを若者が競い合うように買い求めている。ホーローボウルで作ったケーキがネット上で爆発的人気となったのは、『共感を覚えたい』や『視覚的刺激がほしい』と感じている若者のニーズにマッチしているから。ただ、『一発屋』というのがアテンション・エコノミーの特徴。それがもたらす影響は一時的なものにすぎない。事業者は商機と見なすことはできるが、むやみにストックを増やすのはやめた方がいい」との見方を示した。(提供/人民網日本語版・編集/KN)

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