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牛のふんを燃料に、炭素排出削減の新たな道を探る内モンゴル自治区―中国

人民網日本語版    2024年12月12日(木) 8時30分

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内モンゴル自治区は牛のふんを燃料にしようと炭素排出削減の新たな道を探っている。

初冬を迎えた内モンゴル自治区シリンゴル盟西ウジムチン旗にある昊鑫バイオマス環境保護ペレットでは、大型ショベルカーが粉砕し乾燥させた牛ふんを給餌機に投入する作業に追われていた。高温、圧縮、冷却、カットなどの工程を経て、5センチの四角いバイオマス燃料ペレットが生産される。中国新聞網が伝えた。

「私たちはこの前、発電所との間で実験用として2000トンの契約を結んだ。今発電所はさらに協力の意向を示しており、今後は発電所に長期的に供給できるようになる」。同社の崔貴軍(ツイ・グイジュン)社長によると、同社の年間生産能力は20万トンに達する。崔氏が言う実験とは、現地の発電所が他地域の大学と共同で行う「牛ふん混焼」実験であり、全国初の「牛ふん混焼」実験でもある。

2024年6月、国家発展・改革委員会と国家エネルギー局は「火力発電の低炭素化改造建設活動計画(2024~27年)」を発表した。それによると、各地はバイオマス混焼、グリーンアンモニア混焼、二酸化炭素回収利用・貯留などの方法で火力発電の低炭素化改造建設プロジェクトを展開する必要がある。関連プロジェクト第1弾では、電力単位当たりの二酸化炭素排出量が2023年の同種火力発電所の平均二酸化炭素排出量を20%程度下回ることになり、既存の先進的な火力発電所を大きく下回る。

シリンゴル盟エネルギー局の徐敏(シュー・ミン)副局長によると、シリンゴル盟には火力発電所が21カ所あり、総電力設備規模は1700万キロワットに上る。国能北電勝利エネルギーの勝利発電所は現地初のバイオマス混焼実験を開始した火力発電所だ。同発電所には山東省、江蘇省への2本の交流超高圧送電線があり、シリンゴル盟と山東省を結ぶ1000kV超高圧送電路に関連した重要な電源プロジェクトでもある。2024年の発電量は54億2000万キロワット時を見込む。

「計画によると、火力発電所は炭素排出量を削減するという非常に重い任務を負っている。私たちは現地の状況に応じて、牛ふんをバイオマス混焼燃料に選んだ」。勝利発電所の党委員会書記で執行取締役の潘騰(パン・テン)氏は、「7月から当社は低炭素開発部を専門的に設置し、バイオマス混焼作業専門チームを設立し、西安交通大学などの大学の研究チームと連携し、実験室でさまざまな燃焼条件をシミュレーションし、異なる混焼率と工程パラメーターを調整した」と説明した。

「私たちは合計4回の試験を実施した。牛ふんの粉砕、輸送特性、燃焼特性、ボイラーの性能などさまざまな側面を対象としたが、最終的に牛ふんには潜在的な燃焼価値と混焼特性があることを確認した」。勝利発電所総技術責任者の田亜釗(ティエン・ヤージャオ)氏によると、牛ふんから作られるバイオマス燃料は約2000キロカロリーの発熱量を持ち、火力発電所の熱発電の要件を満たしている。「660メガワットの発電機で10%の混焼率を想定すると、年間約20万トンの牛ふんを混焼でき、標準石炭を8万5000トン節約し、二酸化炭素排出量を22万7500トン削減し、炭素排出削減で2000万元(約4億円)の増収が見込まれる」と話した。

「実験全体がかなり成功している。牛ふんはカーボンニュートラル燃料の一種で、国際的にもゼロカーボン排出とみなされている」。西安交通大学の楊福鑫(ヤン・フーシン)教授は、「現在、牛ふん混焼は単一の粉砕システムで混焼率15%を実現できる。燃焼全体もかなり安定しており、機器の運転にも問題がなく、汚染物の排出も基準を満たしている」と説明した。(提供/人民網日本語版・編集/SC)

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