Record ASEAN 2024年12月10日(火) 7時0分
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独メディアのドイチェ・ヴェレ(中国語版)は8日、中国で生産される車載用電池のための採掘によって、フィリピンの島民が飲用水を汚染されたと抗議していることを伝えた。
記事によると、フィリピン中部のホモンホン島は電気自動車(EV)の車載電池に欠かせないニッケルなどの鉱物資源が産出するが、その採掘が現地住民の生活を脅かしている。住民らはこのほど、採掘現場が村の近くまで拡張されており、自分たちの飲用水が汚染されているなどとして採掘業者に抗議した。
現地の環境保護組織の代表を務めるCarmi Macapagao氏は「私たちは以前のように水資源を使うことができなくなっている。以前の水はとてもきれいでおいしかったが、今ではもう飲むことができず、ミネラルウオーターを買うしかない。それによって生活費も上がっている」と訴えた。
記事は、「同島で採掘される鉱物や金属のほとんどが中国に運ばれ、EV用電池の生産に用いられている」と指摘。「昨年のフィリピンの採掘による税収は1億8200万ペソ(約4億7300万円)に上るが、同島の住民らはその中から利益を得られていない」とした。
Macapagao氏によると、同島には2021年にようやく電気が通ったが、現在でも午後4時以降の限られた時間帯しか電気が使えない。雨季は地盤が緩んで車両の通行に危険が伴うが、舗装されていない道路も多く残っているという。
現地のキリスト教会の神父も「政府の各部門に採掘を停止してほしいと訴え、交渉しており、立法機関にも連絡をしている。祈りをささげる集会を開いているほか、採掘が進むことによる悪い結果について講演会も行っている」と語った。
フィリピンはニッケルの生産量でインドネシアに次ぐ世界2位だ。環境保護団体グローバル・ウィットネスの担当者は「世界的に化石燃料からのモデルチェンジは当然必要。地球温暖化抑制のために必要なことには間違いない」とする一方、「これは人々の福祉と生態系の多様性を代償として行われるべきではない」との考えを示した。(翻訳・編集/北田)
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