独ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトによると、世界を席巻している中国発のショッピングモール型通販サイト「Temu（テム）」について、ドイツ人の50％が否定的な見方をしていることが、市場調査機関Appinioの最新の調査で分かった。

調査は7月29日から8月1日まで、ドイツ、フランス、英国、イタリア、スペイン、米国の16～65歳の計6000人を対象に、Temuをどう思うかについて、「非常に否定的」「否定的」「やや否定的」「やや肯定的」「肯定的」「非常に肯定的」の6択で尋ねた。Temuについて聞いたことがあると回答したのは5830人だった。

ドイツでは、Temuについて「非常に否定的」「否定的」「やや否定的」を合わせると50％に上った。「非常に否定的」な見方をしている人の割合は、ドイツが18％で、イタリアと英国の11％、米国の8％、スペインの4％を大きく上回った。フランスは16％だった。調査は、肯定的に思うまたは否定的に思う具体的な理由については尋ねなかった。

Temuは現在、ドイツで最大級のオンライン小売業者の一つとなっている。世論調査機関Yougovの調査によると、2024年1～6月の注文数でドイツは世界6位であり、約130万人が同サイトで買い物をした。

Temuで販売されている商品を巡っては、消費者団体や政界からその品質と安全基準の低さに批判が寄せられている。150ユーロの免税限度額などの法律の抜け穴から恩恵を受けているという指摘もある。

小売研究機関IFHの調査でも、ドイツの多くの消費者がTemuに懐疑的であることが示されている。Temuで商品を購入したくない理由について、83％が品質の低さを挙げ、60％が偽物の可能性に懸念を表明した。

欧州連合（EU）の行政執行機関である欧州委員会は10月、違法商品販売の抑制に向けた取り組みが十分ではない疑いがあるとして、Temuに対する正式な調査を開始した。（翻訳・編集/柳川）