数々のヒット作ドラマを生んできた台湾の恋愛小説家の瓊瑤（チョンヤオ）さんが4日、台湾・新北市の自宅で死去した。自殺と発表されている。

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86歳の瓊瑤さんは4日午後、自宅内で倒れているところを隣に住む息子一家に発見された。外部から人が侵入した形跡はなく、またフェイスブック上に遺言とみられるメッセージが投稿されていることから、検察側では遺族の同意を得て他殺の疑いなしと公表している。

瓊瑤さんは1938年、中国・四川省生まれ。1949年に家族と台湾へ移り、1963年の半自伝小説「窓外」で一躍有名になった。これまでに60作余りの小説を発表し、次々と作品が映画・ドラマ化され、1960～70年代には少女たちが「布団の中でこっそり読む」恋愛バイブルと呼ばれるように。90年代に社会現象化するヒット作となった「還珠姫～プリンセスのつくりかた～」など、映像化された作品によって数々の人気スターを生み出したことで、武侠小説家の金庸（きん・よう）氏と並ぶ2大巨匠として中華圏では広く知られている。

4日、瓊瑤さんのフェイスブックには秘書によって、最後の作品となる「當雪花飄落（雪の花が降るとき）」とその朗読映像、長文のメッセージが投稿された。メッセージの冒頭には「泣かないで、傷つかないで、私のために悲しまないで。私はもう“軽やかに”去りました」とつづっている。また、人が老いて死ぬ前には「衰弱、退化、病気、通院、治療、不治」といった苦しみに直面すること、さらに不幸な場合は「生命維持装置」で「寝たきり老人」になる人を実際に見てきたことから、「私はあんな死は嫌だ」とも記している。

なお、近年の瓊瑤さんは、2019年に死去した夫で作品の映像化と成功にも大きく関わった平鑫濤（ピン・シンタオ）氏をめぐり、前妻の子供との間で延命治療をめぐる論争で大きな話題を集めていた。（Mathilda）