Record China 2024年11月30日(土) 6時0分
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中国メディアの法治日報は29日、中国で新エネルギー車(NEV)を購入した人がさまざまな不平等な扱いを受けている現状を報じた。
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新エネルギー車とは、中国政府が普及を促している非従来型の動力源を備えた自動車の総称で、電気自動車(EV)、プラグインハイブリッド車(PHV)、燃料電池車などが該当する。中国では大容量のリチウムイオン電池が使われているNEVには過熱、発火、爆発など一定の安全リスクが存在するという理由で、駐車が拒否される場所が少なくないという。
記事によると、広東省在住の徐(シュー)さんは「私が住んでいる団地は過去にはNEVが普通に出入りできていたが、今年6月に不動産管理会社が突然、安全のためと言ってNEVの敷地内への進入を禁止すると通達してきた」と語った。徐さんは管理会社と何度も話し合ったが決定は覆らず、仕方なく団地から徒歩10分余りの場所にある別の駐車場に駐車するしかなくなったという。
今年初めに海南省にドライブ旅行に出かけた北京市在住の張(ジャン)さんは「私の車(NEV)の航続距離は400キロほどしかないので1日に1回は充電しないといけないが、ほとんどのホテルはNEVの進入が禁止されている地下駐車場しかなく、充電スタンドもない。近くの駐車場を探さないと行けなくて不便だ」と語った。
天津市の李(リー)さんは「新しく購入したNEVで山西省に旅行に出かけたが、ホテルの地下駐車場はNEVの進入が禁止されていたため、近くの有料駐車場に止めるしかなかった」と回想。李さんは車を充電状態にしてその場を離れたが、翌朝戻ってみるとロックがかかり400元(約8300円)余りの「占拠料」を支払わなければならないことになった。フル充電後、一定時間内に駐車スペースから離れないと料金が発生する仕組みになっていたという。
李さんは「ガソリン車ならホテルの地下駐車場に無料で駐車できる。NEVに乗り換えたばかりにホテルに駐車できなかっただけでなく、こんな落とし穴まであるとは思わなかった。腹が立ったのは、ガソリン車であれば充電用駐車スペースに駐車していても占拠料を払わなくていいという点だ」と不満を述べた。
こうした問題について、中央財経大学の王葉剛(ワン・イエガン)准教授は「NEVの団地や地下駐車場への進入禁止、制限は法的根拠に欠け、NEV所有者の合法的権益に対する不当な制限である」との見方を示した。また、李さんが遭遇したような「占拠料」の徴収については「国レベルで明確な基準は設定されておらず、現在は運営側が自ら決定している状況。一部のスタンドでは占拠料について目立つ位置に掲示していないことがあり、消費者の権益を侵害している疑いがある」とした。
NEVをめぐっては、メンテナンスコストの問題も指摘されている。記事によると、現在、中国の市場に出回っているNEVについては、購入者にモーター、バッテリー、電子制御システムの永年保証を提供している。しかし、陝西省在住の馬(マー)さんは「この品質保証は新車でないと適用されず、事故などで損傷していないこと、規定通りのメンテナンスを行っていること、製造元の部品を使用することなど、厳しい条件が付いている。また、どの程度の劣化で交換してもらえるのかの基準もあいまいで、変化もしている」と話した。
江蘇省在住の陸(ルー)さんは、5年前に購入したNEVが今年故障を起こし、保証により新しいバッテリーに交換してもらったが充電量は依然として低かった。そこで再交換を要求したが、基準を下回る数値ではないとして拒否されたという。陸さんは「自費で交換すると10万元(約207万円)近く。購入しても数年しか運転できないのはあまりに不公平。バッテリーの評価に関する明確なプロセスが必要。現在のような一律かつあいまいな基準では品質保証にならない」と漏らした。
今年、2回修理を行ったという翟(ジャイ)さんは「一番難しかったのは適切な部品を探すこと。なかなか見つけられないと修理期間が長引き、非正規の部品を使わざるを得ないこともある。これは間違いなくリスクとコストを増加させている」と説明。「NEVの技術はサイクルが速く、新車種の部品には特定の設計と製造プロセスが必要になることが多いため、部品の生産が需要に追いつかないことがある。特許技術の関係で特定のサプライヤーしか生産できない部品があることもスムーズに入手できない理由」と語った。
記事は「ガソリン車の所有者に比べ、NEV所有者はメンテナンスの難しさとメンテナンス費用の高さという二重の問題に直面している」と指摘。専門家が「ガソリン車と比べてNEVはスマート端末のようなもので自動車整備と電気の両方を理解していなければならず、専門的な修理サービスの供給が需要に追い付いていない。人件費や専門機器の使用を考えると、修理費用はどうしても高額になる」と語ったことを伝えた。
NEVはガソリン車に比べて保険料が高額になるという問題もある。周(ジョウ)さんは「ガソリン車に比べて保険料がはるかに高く、更新も難しい。数年前に19万元(約395万円)でNEVを購入したが、保険料は毎年6000元(約12万5000円)近くと、友人が所有するガソリン車の保険料の数倍高い。その上、保険料も絶えず値上がりし続けている。保険を使うと保険料はすぐに年1万元(約20万7000円)を超え、3回使えば更新を拒否されることもある」と語った。
また、陝西省の史(シー)さんは2022年にNEVを購入し、一切事故を起こしていなかったが、今年11月に契約していた保険会社から更新を断られ、他の保険会社にも契約を拒否された。保険会社からは史さんが運転している自動車の車種がネット配車サービスで多く使用されているものと同じだからと告げられたといい、史さんは「理解できなかった」と首を傾げた。
王准教授は「NEVの保険料が高いことは保険業界の普遍的な現象。その原因はいくつかあり、保険会社はNEVの事故発生率、損害の重大性などを総合的に考慮して設定しているかもしれない。しかし、NEVの使用状況を見ると、事故発生率や重大性などの面でガソリン車よりも目立って高いわけではないため、NEVに高い保険料を設定するのは合理的ではない」と指摘した。
上海誠康法律事務所の張大成(ジャン・ダーチョン)主任は「政府が部品等の製造における監督を強化し、安全性と信頼性を確保すること」「保険会社がNEVに特化した保険商品を開発すること」「NEVの保証を拡大すること」「NEVに対する知識を普及し、所有者自らが合法的権益を理解すること」「企業が研究開発への投資を拡大し、性能を向上させ消費者の問題を解決すること」の5点を提案している。(翻訳・編集/北田)
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