Record China 2024年11月27日(水) 7時30分
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中国の日系ITサービス業の子会社数は日産、NTTデータ、セコムが同率1位だった。写真は上海。
法人会員向けに与信管理クラウドサービスを提供するリスクモンスターの連結子会社である利墨(上海)商務信息咨詢(リスクモンスターチャイナ)は利墨リスモン調べ「中国における日系ITサービス業の市場動向」を発表した。
「利墨リスモン調べ」はリスクモンスターチャイナが独自に収集した中国の日系企業データベースや業界情報を基に調査・分析したレポート。今回は2023年3月時点で開示されていた中国全土の法人登記情報の日本企業出資の中国企業およびグループ企業2万7968社のうち、情報輸送・ソフトウェア・情報技術サービス業に分類される898社を対象に調査を実施した。
今回の「中国における日系ITサービス業の市場動向」では、中国に進出している日系ITサービス業について、親会社ごとの企業数、地域別の分布、企業数の推移など多方面から調査している。
日系のITサービス業に対して、日本の親会社とひも付けた企業数を基にランキングを作成したところ、「日産自動車」「NTTデータ」「セコム」が社数10社で同率1位となった。
日産自動車は合弁会社の東風汽車を通じて自動車メーカー向けのITソリューションや配車アプリなどIT分野のサービスを提供している。セコムは企業向けオンラインセキュリティーシステムの提供を軸に事業を展開している。NTTデータは中国国内の顧客に向けたITサービスやクラウド・データセンターサービスを提供するほか、対日オフショア開発やBPO事業にも取り組んでいる。
企業数を細分類業種別に集計したところ、「ソフトウェア開発」(社数457社、50.9%)が最も多く、2位がコールセンターなどを含む「その他情報技術サービス」(同138社、15.4%)、3位が「情報技術コンサルティングサービス」(社数65社、7.2%)だった。
中国の日系ITサービス業において、5割以上の企業がソフトウェア開発業務に従事していることが分かる。
また、企業数の推移・地域分布に注目すると、中国の日系ITサービス業は1984年に中国に進出して以来、企業数が増加の一途をたどり、特に2000年以降に急激な増加を見せている。
地域別の分布は、「上海」(社数 251社、29.8%)に最も集中しており、「遼寧省」(同179社、21.3%)、「広東省」(同78社、9.3%)と続き、3地域で全体の約6割を占めている。
ITサービス業において、人材は事業の成否を左右する重要な要素だ。上海は中国で最も経済が発展した地域の一つであり、多くの大学が集中するとともに、全国から優秀な人材が集まることで、ITサービス企業を引き付ける主要都市としての地位を確立している。これに対し、遼寧省、特に大連市は中国東北地域の「対外窓口」としての役割を担い、海外企業の誘致を積極的に推進してきた。その結果、日本からのソフトウェア開発業務を担うオフショア拠点として大きな成長を遂げている。
かつて、中国は日本にとって、低コストでのオフショア開発が可能な魅力的な拠点として位置付けられていた。日本に比べて人件費が格段に安いことから、多くの企業が受託開発を通じてコスト削減を図り、中国に開発拠点を設立してきた。
しかし、中国経済の成長に伴う人件費の上昇により、従来の低コスト開発の優位性は薄れている。その中で、日系ITサービス業は、中国の優秀なIT人材を活用し、現地市場に適したサービスを提供する新たな戦略が求められている。
中国のIT産業は急速な発展を遂げており、競争力の高い企業が次々と台頭している。このような競争環境の中で、中国市場の成長スピードに柔軟に対応し、持続的な競争力を確保することが、日系ITサービス業にとって重要な課題となるだろう。
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