2024年11月14日、韓国・中央日報が「死刑制度の廃止検討を求める市民団体に対し、日本政府が『著しく重大な凶悪な罪を犯した者に対しては死刑を科すこともやむを得ない』との立場を示した」「死刑制度に賛成の世論が多い上に、凶悪な犯罪が後を絶たないことがその理由だ」などと伝え、韓国のネット上で注目を集めている。

死刑制度の再検討を主張する「日本の死刑制度について考える懇話会」は13日、会議体を設置するよう政府に提案した。国会議員や犯罪被害者遺族らが参加する同団体は「死刑制度を現状のままに存続させてはならない」と主張している。

同団体は、欧州の先進国など死刑制度を廃止する国が増えた点と、国連（UN）が日本をはじめとする死刑制度施行国に執行停止を繰り返し求めている点を強調している。

これに対し林芳正官房長官は、14日の記者会見で「廃止することは適当でない」「著しく重大な凶悪な罪を犯した者に対しては死刑を科すこともやむを得ない」「制度廃止を検討する会議体を設置するつもりもない」などの立場を示したという。

記事は、日本の死刑制度について「国際人権団体から制度の廃止を求められているが、賛成の世論が多いことなどを理由に存続させている」「昨年は20年以降3年ぶりに死刑執行が行われなかった」「死刑の執行方法は絞首刑と定められている」などと説明している。

また、韓国の現状について「凶悪犯罪者を対象に死刑制度が必要だとの意見が噴出しているが、政界では大きな反応を得られずにいる」「ただ、韓東勲（ハン・ドンフン）『国民の党』代表は法務部長官時代から死刑制度の制限的導入の必要性を強調しており、2月にも『政府や政界、責任ある人が真剣かつ果敢に議論するときが来た』と主張している」などと伝えている。

韓国は1997年12月30日を最後に死刑が執行されておらず、国際社会では「実質的死刑廃止国」に分類されている。

この記事を見た韓国のネットユーザーからは「韓国もこうあるべき」「日本がうらやましい」「こういうところは日本から学ばないと。悪質で凶悪な犯罪者は死刑が妥当。韓国も一日も早く死刑を執行せよ」「全死刑囚の死刑を執行したら、尹錫悦（ユン・ソンニョル）大統領の人気が急上昇して支持率が90％になるかもしれない」「死刑賛成。ただし、証拠が明白な凶悪犯に限る」「凶悪犯に対しては一罰百戒のために死刑を執行するべき」「死刑制度は絶対に存続させるべき。人権も大事だけど、社会の安全性のためにも」「韓国にも日本のような死刑制度が必要。でないと凶悪犯罪は増える一方だ」などの声が上がっている。（翻訳・編集/堂本）