ホラー漫画界永遠の巨匠・楳図かずおさん、名作「漂流教室」の人間の光と闇―香港メディア

Record China    2024年11月9日(土) 0時0分

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5日、香港メディアの香港01に、「ホラー漫画界永遠の巨匠・楳図かずおさん、名作『漂流教室』の人間の光と闇」と題する記事が掲載された。写真は漂流教室。

2024年11月5日、香港メディアの香港01に、「ホラー漫画界永遠の巨匠・楳図かずおさん、名作『漂流教室』の人間の光と闇」と題する記事が掲載された。

記事はまず、「日本の著名な『ホラー漫画の巨匠』であり、『漂流教室』の作者として知られる楳図かずおさんが、先月28日に88歳で亡くなったことを小学館が発表した。報道によれば、楳図さんは胃がんを患っていたとのことで、この訃報に多くの人が悲しみを感じている。楳図さんのホラー漫画には人間性の描写に深みがあり、後のホラー作品に多大な影響を与えた。先月には個人の原画展『楳図かずお大美術展』が開催され、9月3日には88歳の誕生日を迎えたばかりだった。その直後の訃報に多くの人が衝撃を受けている」と伝えた。

そして、「楳図さんは1936年生まれで、小学生の頃から漫画を描き始め、高校時代に漫画家としてデビューする。代表作には、56年の『底のない町』や、72年から74年に『週刊少年サンデー』で連載された『漂流教室』、そして『わたしは真悟』、『14歳』、『神の左手悪魔の右手』、『へび少女』、『猫目小僧』、『洗礼』などがある。95年には腱鞘炎の悪化のため執筆を中断し、タレント活動に転向。近年もメディアに出演していた。その中で『漂流教室』は、彼を日本のホラー漫画の巨匠の地位に確立させ、第20回小学館漫画賞やフランス・アングレーム国際漫画祭『遺産賞』、さらに昨年の第27回手塚治虫文化賞・特別賞など、多くの栄誉を受けた。先月12日から今月5日まで金沢21世紀美術館で開催された『楳図かずお大美術展』では、101点に及ぶ新作の連作絵画が公開され、彼の漫画における革新的な創作手法が紹介された」と述べた。

また、「楳図さんは非常に多才で、英語、イタリア語、フランス語、ドイツ語、スペイン語など複数の言語を学んだほか、『闇のアルバム』というソロ・アルバムを発表し、自身で作詞作曲を手がける音楽的な才能も発揮した。彼は恐怖とスリルを描く作品で知られ、その内容は人間の内面の暗部に迫る深みを持っている。代表作『漂流教室』を例に挙げると、内容は当時の禁忌ともいえるもので、社会的影響も深刻だった。物語は、大地震によって日本の小学校が荒廃した砂漠や恐ろしい怪物のいる未知の世界へ漂流する様子を描き、登場する小学生たちは生存の困難と人間性の葛藤を経験し、絶望の中で成長していく」と説明した。

その上で、「作品は環境や怪物における恐怖だけでなく、小学生たちが物資や権力を争い、互いに傷つけ合いながら成長せざるを得ない点にある。物語が進むと、この未知の世界が未来の地球であり、環境汚染によって荒廃し、怪物は人類が変異した姿であることが明らかになる。作品は近年も注目され続けており、最近流行している『異世界』ジャンルの元祖的な作品と見なされている」と論じた。

さらに、「物語の中には未来への『予言』とも取れる場面があり、登場人物が未来の関東地方で大規模な地震が起こることを知るシーンは、後の東日本大震災を彷彿とさせる。現在から見ると作品は非常に『グロテスク』に映るが、実は70年代の日本社会の不安と共鳴している。当時は高度経済成長の影で都市の深刻な汚染や社会不安が増大し、人々は純朴な気持ちを捨てざるを得なかったのだ。最後は唯一の大人であった登場人物のみが精神的に崩壊してしまうが、子どもたちは過酷な経験を通じて、元の世界に戻る機会が訪れた時、最年少の幼稚園児だけを元の世界へ送り返すという決断をする。これは次の世代こそが希望であり、未来を変える力があるというメッセージを込められたものだ」と考察した。(翻訳・編集/岩田)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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